2005 Fiscal Year Annual Research Report
近世・近代における商業資本発達史の研究-近江商人・山中兵右衛門家の経済史的研究-
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15330068
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Research Institution | SHIGA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
筒井 正夫 滋賀大学, 経済学部, 教授 (70180023)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇佐美 英機 滋賀大学, 経済学部, 教授 (60273398)
青柳 周一 滋賀大学, 経済学部, 助教授 (40335162)
賀川 隆行 三井文庫, 主任研究員 (90087908)
松元 宏 横浜国立大学, 名誉教授 (70018068)
佐々木 哲也 麻布大学, 環境保健学部, 非常勤講師 (20409832)
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Keywords | 山中家経営構造分析 / 往復書簡分析 / 家政改革分析 / 奉公人請状 / 山中本家の投資活動 / 出店開設状況 |
Research Abstract |
共同研究の最終年度にあたる本年度は、研究成果報告書の完成を目指して、昨年同様重要文書のマイクロフィルム撮影と翻刻作業を進めるとともに、近世から近代に至る山中家の経営発展の長期的動向の把握と、本家-本・支店の経営統括のあり方の解明を推し進め、さらに近世家政改革の内実や雇用関係の実態究明、近代における投資活動の解明を図ることを目的に掲げて、史料撮影を兼ねた合同研突会を御殿場・日野町において4回実施し、個人調査も数回行った。 マイクロフィルム撮影は15巻を追加し、研究協力者榑林一美による「往復書簡」の翻刻も明治21年次まで進められ、これをもとに、榑林は、本家と本点の交信記録から、両者の関係や本店周辺の地域社会の克明な社会経済状態について分析した。また他の重要史料の翻刻も作業も継続し、今年度までに91点の史料の翻刻が完了した。 近世における山中家の商業活動の長期的分析は賀川隆行によって進められ、「勘定目録」の日野本家・御殿場本店の経営構造とその連関が解明されていった。家政政革の実態解明は青柳周一によって進められ、文久期の主法制度の導入に焦点を当てた分析となって結実した。山中家の雇用関係の実態については、宇佐美英機によって、山中家に残る「奉公人請状」が近世期に焦点を当てて、山中家における主人と奉公人との関係に克明な分析が加えられた。明治中後期における山中本家が行った投資活動についても、筒井正夫によって分析が進められ、日野町を中心に近代産業や銀行業に活発な投資活動が行われた実態が明らかにされた。また松元宏による明治期の本家-本支店の統括システムの分析や佐々木哲也による出店開設状況の分析も引き続いて深められた。 こうした諸研究は、平成15年度〜平成17年度の『研究成果報告書』としてまとめられた。
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Research Products
(2 results)