2005 Fiscal Year Annual Research Report
企業を取り巻く新しい組織間関係モデルの国際比較研究-日中米欧の事例を中心に
Project/Area Number |
15330075
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
西口 敏宏 一橋大学, イノベーション研究センター, 教授 (20270928)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻田 素子 静岡産業大学, 経営学部, 専任講師 (40350920)
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Keywords | 組織間関係 / ネットワーク / 産業集積 / アウトソーシング / 社会システム / 産学官連携 / 中国民営企業 / 日本:中国:米国:欧州 |
Research Abstract |
平成15年度以降、洋服、靴といった労働集約型産業で高い国際競争力を誇る温州企業のネットワーク実態の解明に努めてきた。最終年度の平成17年度は、域外で活躍する温州企業へ調査対象を広げるとともに、定量的な調査にも着手し、平成18年度以降に予定する本格的なネットワーク研究への基盤を整備した。 1.研究代表者の西口は、夏に渡米し、ネットワーク研究の第一人者らと交流、理論的かつ実証的研究を推進するとともに、積極的に国際発信した。具体的には、全米経営学会の年次総会で発表、その後はMITに滞在し、さらに10月には米戦略経営学会の年次総会でも発表した。一流米学会での発表は、研究業績として認めうるので、次頁の研究発表欄に記しておく。近年話題のスモールワールドネットワーク理論を援用しながら、自動車のサプライヤーやモバイルのネットワーク、また温州人ネットワークなどを分析し、個人や組織のパフォーマンスは、彼らが埋め込まれているネットワークのトポロジーに強く影響されうるとの知見を披露し、高い関心を集めた。 2.温州企業のネットワークに関する定量的調査を継続した。(1)産業によってネットワーク構造に顕著な違いがある、(2)温州地域では付加価値の高い産業への転換が推進されている、等が明らかになった。さらに、企業業績とネットワーク構造の関係性を扱う定量的調査の準備として、温州市服装協会の傘下企業に、パイロット的なアンケートを実施した。温州では、対面によるアンケート調査以外、一定の回収率を確保できない等の教訓を得た。 3.北京およびイタリアの温州企業で、詳細なヒヤリングを行った。(1)温州人は当初、域外へランダムに飛び出していたが、誰かが成功機会の高い場所を発見すると、その情報が瞬く間に飛び交い、そこに集結する、(2)新参者は、成功した温州人企業家の下で働き数年後に独立する、といった構図が浮き彫りになった。
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Research Products
(6 results)