2003 Fiscal Year Annual Research Report
日本の民間企業・大学等が持つ技術特許の移転・流通に関する研究
Project/Area Number |
15330082
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Musashi University |
Principal Investigator |
米山 茂美 武蔵大学, 経済学部, 助教授 (30258496)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
妹尾 大 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 助教授 (90303346)
福嶋 路 東北大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (70292191)
渡部 俊也 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (00334350)
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Keywords | 特許移転 / TLO / 特許マーケティング / ライセンサー / ライセンシー / ライセンス・アソシエイツ |
Research Abstract |
3ヵ年の研究期間の初年度として,今年度は民間企業・大学TLOからの特許移転に関する本研究組織としての独自のフレームワークの構築を試みた。特許移転に関する既存文献のサーベイ,複数の民間企業及び大学TLOへのヒアリング調査,またそれら組織から特許移転を受けたライセンシーへのヒアリング調査から,特許移転においてライセンサーとしての組織・管理上の問題点,ライセンシーとしての組織・管理上の問題点,そしてそれらを仲介するライセンス・アソシエイツの役割の重要性が浮き彫りとなった。特に,ライセンサーとしては,特許が不可視的で中間財的な性質を持つ財であることを認識し,その取引においていかに特許の可視性や最終的な価値実現の方向性を提示できるかが重要な点となることを見出した。そこでの視点は,消費財やサービス財,産業財などのマーケティングとは異なる,新しいマーケティング視点を要請するものであり,この点で理論的な発展性も期待できる。特許の移転過程においては,こうしたライセンサー側の対応のみでなく,受け手としてのライセンシー側の技術的な吸収能力及び組織的な意思決定能力も重要であることも明らかとなった。また,ライセンサーとライセンシーとを仲介するライセンス・アソシエイツについては,技術的・法務的な知識の他に,マーケティング等の経営管理的な知識も求められ,こうした多能的な人材の育成について検討する必要性が認識された。このような今年度の研究成果は複数の論文にまとめられ,次年度前半の国際学会で報告される予定である。次年度は,今年度の調査結果を踏まえて,質問表調査などを含むより定量的な分析を行いたい。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] T.Watanabe, S.Yoneyama, D.Senoo, M.Fukushima: "Visualizing the Invisible : A Marketing Approach of the Technology Licensing Process"Musashi University Working Paper. No.9(F-5). 1-13 (2004)
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[Publications] M.Fukushima, S.Yoneyama, T.Watanabe, D.Senoo: "Decision Making Process of Licencees : How to Evaluate the Invisible Value"Musashi University Working Paper. No.10(F-6). 1-13 (2004)
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[Publications] 福嶋 路: "大学からの技術移転に関する研究の展開と現状"Tohoku University, GS of Economics and Management. No.70. 1-28 (2004)