2004 Fiscal Year Annual Research Report
生活の質から見た高齢者のフォーマルケアとインフォーマルケアの組み合わせ地域モデル
Project/Area Number |
15330120
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
冷水 豊 上智大学, 文学部, 教授 (00073015)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 久展 ルーテル学院大学, 文学部, 教授 (80222967)
菊地 和則 東京老人総合研究所, 疫学福祉政策研究グループ, 研究助手 (00271560)
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Keywords | 高齢者ケア / フォーマルケアとインフォーマルケア / 地域生活の質 / 地域住民意識 / 地域福祉計画 / 介護保険 |
Research Abstract |
「高齢者ケアの地域モデル設計のための3要件」の順に研究実績を報告する。 要件A「高齢者ケアに関する地域住民の意識」に関する統計調査結果:1.社会的ネットワークの面で近隣によるインフォーマルケア(IC)の基礎的条件があり、2.社会的サポートの面でも近隣によるIC(声かけ、相談が中心)の進展の可能性があること、さらに3.ボランティアなどの面でも地域でのICの担い手の主体形成の潜在力が大きいことが明らかになった。フォーマルケア(FC)に関しては、4.介護費用負担と入所施設利用に関する将来不安が高く、5.在宅サービス、施設サービスに対する期待が相当大きいことが明らかにされた。次に、住民主体のIC形成の可能性が大きいと同時にFCへの期待も大きいこの地域で、最終的な課題であるFCとICの組み合わせに対する選好がどうかを調べた結果、6.身体介護と生活支援については主にFCに期待し、心配事相談と声かけについては主にICに期待する傾向があることが明らかになった。 要件C「住民・ボランティアおよびサービス機関・事業者の意向」に関する4回のフォーカスグループ面接調査の結果:ICに関しては、1.住民意識調査結果にも関わらす、現状では地域における具体的なIC活動はまだ不十分であるが、2.住民の関係作りの芽生え、多様なサロン作りの模索もあることが明らかになった。FCに関しては、3.入所施設サービスと在宅サービスの望ましい関係が、特養不足等のために歪みが生じている反面、重度者への施設の間欠的利用と在宅サービスとの組み合わせなどの展開、4.最低限の施設ケアの確保および重介護施設と在宅サービスの間の多様な形態の施設の整備の必要性が確認された。 要件B「モデル設計の主要理念である地域生活の質」に関するデルファイ調査.15年度には実施を中止すると判断したが、その後の文献研究等による検討の結果やはり17年度の研究で実施することにした。
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