• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2004 Fiscal Year Annual Research Report

マイクロ-マクロ関連に基づく社会特性の創発に関する研究

Research Project

Project/Area Number 15330133
Research InstitutionSaitama University

Principal Investigator

高木 英至  埼玉大学, 教養学部, 教授 (20163165)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 野村 竜也  龍谷大学, 理工学部, 助教授 (30330343)
林 直保子  関西大学, 社会学部, 助教授 (00302654)
杉浦 淳吉  愛知教育大学, 教育大学, 助教授 (70311719)
佐藤 敬三  埼玉大学, 教養学部, 教授 (40008644)
Keywords計算モデル / シミュレーション / 社会秩序 / 集団構造 / 社会的知性 / 複雑適応系 / 信頼 / 安心
Research Abstract

計算上のエージェント間で協力関係が出現できる状況を背景とした、社会の安心装置の出現に関するモデルを高木が作り、シミュレーションを実施した。主な結果は次である。(1)指定した条件の下では、信頼に基づく協力が生じないほど裏切り誘因が強い場合でも、安心請負人が出現し、協力を生じさせる。(2)安心装置が出現するときエージェントの一般的信頼(戦略の一種)は低くなる。この結果は概ね予想通りだった。しかしいくつか克服すべき点が認識された。第1に、裏切り誘因が低い場合には安心装置が出現する合理性はないのに、やはり出現している。第2に、安心装置が生じるか否かは、安心請負人の出現にする条件(仮定)に高度に依存する可能性がある。そこで安心請負人の出現条件を体系的に検討する必要が認識される。そのため、現在、モデルの見直しを進めている。
この他、野村は集団構造の創出に関する数理的な側面に考察を加え、一定の成果を得ている。研究分担者間の議論を経て、野村の分析で仮定したPOXシステム自体の創発を分析する余地があることが認識された。
林は協力関係の出現を可能にする関係的社会資本(信頼など)および社会的知能に関する基礎的な実験知見をまとめた。この知見は高木の分析した信頼に関する結果とは別の側面を含むため、結果の含意をさらに検討している。また、林と杉浦が社会資本の創発に関する実験の設計を検討している。しかし林が次年度は在外研究のために研究分担ができなくなったため、別の分担者を置くことを含めて研究の見直しを行っている。
佐藤は複雑適用系の側面を既存のサイバネティックスの観点から整理しつつある。今後は複雑適応系が社会の分析に対して持つ影響を分析することが課題となっている。
現状では民族学的な知見の整理が遅れているので、次年度の課題としたい。

  • Research Products

    (6 results)

All 2005 2004

All Journal Article (6 results)

  • [Journal Article] 適応戦略としての信頼:高信頼者・低信頼者の社会的知性の対称性について2005

    • Author(s)
      林直保子, 与謝野有紀
    • Journal Title

      実験社会心理学研究 44巻1号(印刷中)

  • [Journal Article] 社会現象の計算機シミュレーション2004

    • Author(s)
      高木英至
    • Journal Title

      社会心理学の新しいかたち(竹村和久(編))(誠信書房)

      Pages: 195-219

    • Description
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [Journal Article] シミュレーション・プログラミングの実際2004

    • Author(s)
      高木英至
    • Journal Title

      パーソナル・コンピュータによる心理学実験入門(北村英哉・坂本正浩(編))(ナカニシヤ出版)

      Pages: 141-159

    • Description
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [Journal Article] 女性への小さな偏見は組織における男性支配をもたらすか:組織における性比のシミュレーション2004

    • Author(s)
      高木英至
    • Journal Title

      埼玉大学紀要 40巻20号(印刷中)

  • [Journal Article] Analysis and Simulation of Group Dynamics based on Heider's Balance Theory and a Finite Markov Chain2004

    • Author(s)
      Nomura, Tatsuya
    • Journal Title

      Paper presented at the Second Conference of the European Social Simulation Association, 2004

  • [Journal Article] システムサイバネティクスの研究と教育について-科学論のシステムサイバネティクス的転回の構想-(II)2004

    • Author(s)
      佐藤敬三
    • Journal Title

      埼玉大学紀要 40巻2号(印刷中)

URL: 

Published: 2006-07-12   Modified: 2016-04-21  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi