2004 Fiscal Year Annual Research Report
我が国の組織において成果主義による評価が効果を上げ得る条件の心理学的研究
Project/Area Number |
15330135
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
古川 久敬 九州大学, 人間環境学研究院, 教授 (30190143)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 裕幸 九州大学, 人間環境学研究院, 助教授 (50243449)
田中 堅一郎 日本大学, 大学院・総合社会情報研究科, 助教授 (80212033)
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Keywords | 成果主義 / 文脈的業績 / チーム活動 / 目標管理 / 人事制度 / モチベーション / チームマネジメント |
Research Abstract |
本年度は次の5つを実施した。 第1に、我が国の組織において、「成果主義」は、その内実は必ずしも一様ではないものの急速に進行してきている状況を確認した。 第2に、「成果主義」の人事制度に流れている評価原理を5つの観点から抽出、整理をし、それらの評価原理が人的資源やチーム活動を促進し、個人や組織の業績向上に肯定的な効果を持ち得る条件について理論的および実証的に解明した。 第3に、我が国における「成果主義」の効果性を適切に検討するために必要とされる新しい測度の開発を行った。これには次の2つが含まれる。ひとつは、業績指標として、従来からの「課題業績」に加えて、本研究では、新たに個人の本来的な課題や役割を越えた形での同僚や職場への貢献度を意味する「文脈的業績」(contextual performance)に関する測度を創案、開発した。もうひとつは、「成果主義」の効果性を検討するにあたって、組織において不可欠のチーム活動に注目し、そのチーム活動の質を測定するものであった。これによって成果主義のもとでの効果的なチームマネジメントのあり方を検討した。 第4に、「成果主義」の運用において、我が国において基本的な方策として広く普及している「目標管理」(Management By Objectives)に着目した。そして、これに関わる理論的な背景を心理学の観点から考察するとともに、組織において現実にどのような運用がなされているのかについて構造化面接を実施して実証的に明らかにし、また目標管理が個人のモチベーションや学習に対して及ぼしている効果性について、実証的な検討を行った。 そして第5に、これらについては、学会機関誌や大学紀要、あるいは書籍として公刊した。また国内外の関連する学会大会において数多くの成果を発表した。さらにそれらをまとめる形で、年度末には、研究報告書としてまとめた。
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Research Products
(7 results)