2005 Fiscal Year Annual Research Report
幼児教育ゲームへの接触が子どものコミュニケーション能力の発達に及ぼす影響
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15330139
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
内田 伸子 お茶の水女子大学, 理事 (70017630)
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Keywords | メディア環境 / 絵本の読み聞かせ / 母子相互干渉 / 母親の語りかけ / 育児スタイル / 早期教育 / メディア環境のデザイン / 幼児教育ゲーム |
Research Abstract |
1)昨年度に引き続き、家庭での幼児教育ゲーム経験と絵本の読み聞かせ経験の効果を比較するための短期縦断研究を実施し、データ分析を実施した。データを母子相互作用の変化、教育目標の達成度、コミュニケーション能力の変化について、総括的に検討し、子どもの学びの環境の望ましいあり方やメディア環境のデザインについて提言を行った。 2)絵本の読み聞かせ場面の母子相互交渉を観察し、育児スタイルや子どもの年齢、出生順位などの要因が読み聞かせ方にどのような影響を及ぼすかについて検討した。子どもの出生順位は母親のことばかけに影響をもたない。一方、「強制的しつけスタイル」をとる母親は指示的・質問応答的ことばかけが多く、「受容的しつけスタイル」をとる母親は共感的で子ども中心の発話を受容することばかけが多かった。(『発達心理学研究』に投稿中。) 3)母親の語りかけ方が子どもの語彙や語意の獲得にどのような影響を与えるかについて日米比較研究を行った。断定的文末表現(米は動詞)「だよ」"be"に埋め込まれた語彙は獲得されやすく、不確定的表現「かな」"may be"に埋め込まれている語彙は学習されにくい。特に日本語では断定か不確定かは親近性効果により、語彙学習に大きな影響を与えることが見出された。[2006年度の21世紀COEプログラム「誕生から死までの人間発達科学」拠点の研究成果報告書に論文を掲載した。] 4)2500名の幼稚園児・保育園児をもつ親を対象にしてメディア環境や早期教育についての考え方をしつけスタイルと関連させて検討した.常勤専門職の母親は子どものメディア環境に配慮し、子ども過ごす時間の質が高く、パートの母親はメディア環境に配慮しないことが見出された。[『発達心理学研究』に原著論文として投稿中。] 5)以上、平成15年度〜17年度3年間の科研費の助成を受けた研究の成果を総括し、研究成果報告書を出版した。[3月15日に出版した。]
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Research Products
(8 results)