2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15330156
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
箱田 裕司 九州大学, 人間環境学研究院, 教授 (50117214)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神尾 陽子 九州大学, 人間環境学研究院, 助教授 (00252445)
安藤 満代 聖マリア学院短期大学, 教授 (10284457)
川畑 秀明 鹿児島大学, 教育学部, 助教授 (70347079)
原口 雅浩 久留米大学, 文学部, 助教授 (80228634)
中村 知靖 九州大学, 人間環境学研究院, 助教授 (30251614)
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Keywords | 非対称的混同効果 / 違和感 / 領域固有性 / 領域一般性 / 生物画像 / 脳機能 / f-MRI / 再認 |
Research Abstract |
「領域固有性・一般性」は、認知心理学における最近注目されている問題の一つである。ある刺激の認知や課題の遂行が、それらに特化したメカニズムに基づいてなされているのか、それとも共通のメカニズムに基づいているのかという問題である。この問題は、視覚認知、認知発達、神経心理学など様々な領域において議論されているが、未解決の問題である。本研究ではこの問題について、次の3つの側面について検討する。(1)「生き物」の認知に特化したメカニズムの存在を示すような証拠があるのかどうかについて、生物画像を用いた実験的検討。(2)自閉症に見られる認知の障害が領域固有的であるのかどうかについての検討。(3)領域固有性・一般性に関する脳内機序について、f-MRIを用いた検討。 最終年度である本年度はこれらの点について検討し、次のような成果を得た。(1)変化した(特に削除変化を施した)生物画像の認知においてはその他の画像認知には見られない感情的変化(憐憫の情の喚起)が生じ、このことと変化の認知成績との間に関係が認められること、(2)生物画像、非生物画像の変化の認知の際、違和感と再認成績との間に密接な関係があること、(3)違和感の喚起時に生じる脳機能をf-MRIを用いて調べたところ、同一の刺激であっても違和感を喚起しない課題では活性化しないが違和感が喚起される課題でのみ活性化する脳の領域があること、(4)非対称性混同効果が生起する画像の認知と眼球運動の関係を調べたところ、非対称性混同効果と眼球運動について密接な関係があること、(5)自閉症に見られる認知の障害は症状としては領域固有的であると言えるが、自閉症の成立の過程を見ると、その認知の障害は生得的なものでなく、知的能力の全般の障害を源として環境との交互作用の結果、形成されたものであること、が明らかになった。
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Research Products
(6 results)