2004 Fiscal Year Annual Research Report
国際化戦略としての教授用語の英語化-短期留学プログラムの多国間比較研究
Project/Area Number |
15330174
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
恒吉 僚子 東京大学, 大学院・教育学研究科, 助教授 (50236931)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 安月子 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (90205550)
丸山 千歌 横浜国立大学, 留学生センター, 助教授 (30323942)
高田 康成 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (10116056)
木畑 洋一 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (10012501)
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Keywords | 国際化 / 短期留学 / 英語帝国主義 / 教育の比較研究 |
Research Abstract |
英語帝国主義の批判をよそに、グローバル経済の用語、テクノロジーの用語、国際コミュニケーションの用語として、英語熱が各国で高まっている。こうした英語の「グローバル」言語化の中、戦略的に英語を国際化と絡めている場面が増え、こうした英語戦略の一環に、大学の国際化戦略もある。本研究では、まもなく十年のサイクルを迎えようとしている国立大学における英語による特別プログラム方式の短期留学を一つの柱に、国際化戦略としての英語という視点から、日本の状況を世界的潮流の中に位置付けながら分析することを目的としている。従って、作業としては、1)日本における国際化戦略としての英語の状況分析、2)英語を教授用語とした短期留学を切り口とした分析、3)各国担当者によってなされる、各国の事例分析の三つの要素からなっている。 15年度は、当初の予定通り、1)と2)を中心に進められた。2)においては、東京大学の英語によるプログラムの十年弱の未分析の留学生アンケート、日本語アンケートを提供され、フォローアップ調査も行った。来日の目的、進路予定、階層などの関係において、英語を教授用語として用いることがどのようなことを意味していたのかを分析し、自由記述と関連資料を含め、現在、報告書の形にまとめ、関係者に配布する予定である。さらには、名古屋大学と東京大学、横浜国立大学の留学生プログラム関係者を中心に(分担者)、国立大学短期留学プログラム担当者インタビュー、ヨーロッパ協定校視察インタビューなどが担当者によって行われ、何回かの研究会を通じて、他のメンバーにそれが提供された。また、国立において、英語を教授用語化することが持つ意味や結果について、上記三国立大学を視野に行う予定の教官アンケートを日本語と英語で作成した(来年度実施予定)。また、英語戦略としての短期プログラムに限らず、英語帝国主義、言語と民族、現地語、英語教育関連の文献を広くレビューした。本研究チームは、各国の地域研究者、教育研究者と、英語に関連した研究者(例英語教育、言語教育、留学生教育)が学際的に協力していることに一つの特徴があり、理論面での整備、および、実践的関心と理論的検討が乖離しがちな領域において、その両者にまたがることが一つの目標になっている。3)に関連しては、香港地域担当者が香港でのフィールド調査を行い、その結果を分析しつつある。日本との比較研究を進め、その結果の一部は海外で今年度発表した。また、マレーシアの海外協力者は、東南アジア地域における英語の意味付けなどについて、以前から関心を持って研究している研究者であり、その結果と資料をまとめつつあり、16年度には招聘、研究会と講演を予定している。また、日本との国際比較の部分、地域研究部分を補強し、文明圏の広がりをめざし、文化的伝統、植民地支配(英語圏による)などのいくつかの指標によって戦略的な事例とみなされる各国の事例について分析できる韓国地域担当者、ヨーロッパ地域担当者を加えた。16年度においでは、これらの海外調査を予定している。
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Research Products
(7 results)