2005 Fiscal Year Annual Research Report
中等後教育から職業への移行の「失敗」に関する研究 -日米比較も念頭において
Project/Area Number |
15330175
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
苅谷 剛彦 東京大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (60204658)
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Keywords | 就職 / フリーター / 無業者 / 進路指導 / 就職部 |
Research Abstract |
平成17年度においては、大学・短大卒業生の就職活動の現状を解明するために、平成16年度末に関東地区の11大学の学生を対象に郵送法による質問紙調査を行った調査データの分析を行った。その際、これまで実施してきた聞き取り調査の結果とあわせ、入学難易度の低い大学から職業への移動において、どのような問題が発生しているのかを、学生自身の意識、就職活動、属性、大学側の指導体制といった観点からの分析を行なった。その結果、選抜度の低い中等後教育機関の学生は、就職活動が長期化する傾向をもつと同時に、明確な進学意識を持たずに大学棟に進学した場合に卒業後の進路が決まらなくなる傾向が明らかとなった。これらの成果を、平成17年度の日本教育社会学会全国大会で「大学から職業へ-マージナルな大学生の就職活動プロセス-」という発表題目で発表した。 また、中等後教育機関から職業への移行の仕組みが弛緩しているアメリカを対象に、中等後教育機関の卒業生を対象とした調査データ(公開済み)の分析を行うため、ノースウェスタン大学政策研究所のジェームズ・ローゼンバウム教授を訪ね研究を行った。その結果、アメリカのコミュニティ・カレッジと株式会社立大学との比較において、後者のほうが職業への移行がスムーズに行われていることが明らかとなった。 さらに、日本における若年者のアスピレーションの形成過程に関する解明を行った研究成果を8月に開催されるアメリカ社会学会において発表した。
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