2004 Fiscal Year Annual Research Report
中学生の英語学力調査:英語の文構造把握力の観点から
Project/Area Number |
15330189
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
高島 英幸 東京外国語大学, 外国語学部, 教授 (40128434)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 美保子 星城大学, 経営学部, 専任講師 (10331638)
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Keywords | 中学校英語 / 英語の語順の習得 / 後置修飾 / 英語の学力 |
Research Abstract |
2004年(平成16年)度は、前年度に行った予備調査とその結果を基に、本調査の1年目である。東京都で2校、福島県いわき市で1校、高知県で3中学校の協力を得て、2004年7月に1回目、2005年2月に2回目の本調査を実施した(第1回目の調査対象者は、第1学年617名、第2学年584名、第3学年485名の計1686名)。第1回目の調査後、採点・分析を行い、その概要を各校に「第1回中間報告」し、以後の授業の支援を行った。膨大な資料の採点と分析であるために、現在、2回目の実施調査の分析中であり、2005年5月中には「第2回目中間報告」としてまとめる予定である。これらの結果を基に、2005年の7月(本年度より、第1学年のみ10月に実施)の実施前に、各校にフィードバックし、さらに授業の支援を行う予定である。 今後の分析により修正が出る可能性はあるが、これまでの分析から、二つのことが明らかになった。まず、調査問題形式を、単語を与えて並び替えをさせるもの(問題A)と、4通りの語順で書かれている4文から一文を選ばせる4択のもの(問題B)の2種類にしたことは、より正確に学習者の学力を測定できていることがわかった。つまり、問題Aで、与えられた英単語を並び替える作業であるために正解し(てしまっ)た文(Who cleaned your room?)の平均正答率が、第2学年で70%、第3学年で82%であるのに対し、問題Bで、誤った文を含んだ4択の問題で、「だれが子供たちを助けたのですか」に対応する英文を誤って、Who did the children help?を選ぶ学習者が多く、第2学年の正答率が60%、第3学年が68%と、問題Aの正答率よりかなり低くなっているのである。今ひとつは、予期していた通りであるが、第2学年で学習するSVOC(C=名詞,We call the dog Spotty.)とSVOO(We gave the cat some milk.)は、問題Aで、それぞれ、52%と39%、第3学年で、64%と45%と低い。問題Bで見ると、SVOCとSVOOがそれぞれ、第2学年で61%と46%、第3学年で70%と51%と、いずれの場合にも後者のSVOOが低い。一方、第3学年で学習するsomething to eatとthe notebook on the rightなどの後置修飾は、問題Aでは、55%と13%、問題Bでは、71%と41%と後置修飾間に開きがあり、教室での扱いが結果に表れているようである。 今後、2月に実施した資料を分析し、これらの暫定的な結果を詳細に検討していく予定である。これまででは、同じ学年内での2回の調査の結果ぶんせきであるが、本年度から、学年を超えた比較、つまり、同一の1年生と2年生が対象となるため、学年間の比較が始まることになる。
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