2005 Fiscal Year Annual Research Report
児童生徒の学習漢字と語彙の習得に関する基礎的調査研究
Project/Area Number |
15330197
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Research Institution | National Institute for Educational Policy Research |
Principal Investigator |
有元 秀文 国立教育政策研究所, 教育課程研究センター・基礎研究部, 総括研究官 (40241228)
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Keywords | 漢字調査 / 語彙調査 / 漢字・語彙調査 |
Research Abstract |
1.全国29都道府県の合計29の中学校における合計99学級で、1年生を対象にして、下記の4種類の調査を実施した結果を採点・集計した。 A調査<40年前の漢字調査との比較>(標本数:2652人) B調査<自由記述調査>(標本数:186人) C調査<配当漢字外の漢字の読み>(標本数:179人) 質問紙調査<学習や読書について>(標本数:3018人) 2.採点・集計結果を分析し、次のことを明らかにした。 (1)40年前に文化庁が行った調査と比較し、漢字の学力が、この40年間にどのように変化したか。 (2)小・中学生に読まれているコミック誌などによく用いられている配当漢字外の漢字の読みの習得率を調べ、学校外のメディアからどのような漢字を学んでいるか。 (3)学習や読書、テレビやゲームとの関わりの実態と漢字習得率との相関を調べ、どういう体験が漢字習得や記述力に影響するか。 3.調査結果を分析した結果、主に次のことが明らかになった。 ○今回調査と文化庁調査に共通して配当されている学習漢字の正答率は、「読み」が8ポイント上昇した。また、共通して配当外の漢字の正答率は、「書き」は11ポイント、「読み」は27ポイント上昇した。 ○「マンガ等に表れる配当外漢字の読み」の正答率は、文化庁調査では44%だったが、今回調査では84%に上昇した。 ○「読み」の正答率が高いのは、「小さいときに家の人からよく本を読んでもらった」「よく読書する」、小学校で「漢字のテストをよくやった」「漢字の宿題がよく出た」生徒である。 ○「書き」の正答率が高いのは、小学校で「漢字のテストをよくやった」「漢字の宿題がよく出た」生徒である。 ○「自由記述問題に記述した文字数」が多いのは、「小さい時に家の人から本を読んでもらった」、小学校の時「先生から本を読んでもらった」「保護者や地域の人から本を読んでもらった」「先生から,面白い本を紹介してもらった」ことの多い生徒である。 4.報告書を刊行した。
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