2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15340005
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
落合 啓之 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (90214163)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 俊行 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (80201490)
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Keywords | 表現論 / 簡約群 / 積分変換 / ベキ零軌道 / 軌道分解 / 超幾何 / サイクル |
Research Abstract |
本年度は本研究の3年目である。研究代表者落合は実簡約群の表現に対して、表現の不変量の研究を行なった。まず、西山享(京都大学)ならびにC.B.Zhu(シンガポール国立大学)と共同で対称対に対応したテータ持ち上げで現れる表現の随伴多様体とその重複度や次数を決定し、論文を公表するとともにフランスやイタリアなどで研究成果の公表を行った。また、昨年度に引き続き、対称対の上での大域指標にあたる不変固有長関数に関する研究を行い、不変性の延長(つまり隠された対称性の発見)が接空間の無限小レベルだけでなく、対称空間の大域的レベルでも生ずることを示した。群多様体のように指数写像が微分方程式系の同型を導かないことやRiemann対称空間の場合と異なり位相的に自明でない等質空間が現れることが解析を複雑にしているが、うまい定式化を発見することができたのがポイントだと考えている。その他に、落合は本年度 (1)非可換調和振動子のスペクトルゼータ関数のs=2における特殊値が楕円関数で表示できること(楕円関数の独立変数には、非可換調和振動子の構造定数が入る。) (2)Mahler測度とそれに1パラメータの変形を施した積分量がやはり楕円関数を用いた表示を持つ(東京工業大学・黒川信重との共同研究)こと を示し、論文として発表した。楕円関数は超幾何積分の特別な場合である。 これに関連し、研究分担者小林は極小表現の関数空間への実現を深め、群作用の積分核による積分変換として表示を与え、次いで、積分核に現れる特殊関数の超幾何表示を得た(一部は真野元との共同研究)。また、重複度のない作用の幾何学的な特徴付けで新たな結果を得た。
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Research Products
(4 results)