2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15340005
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
落合 啓之 名古屋大学, 大学院多元数理科学研究科, 教授 (90214163)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 俊行 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (80201490)
|
Keywords | 表現論 / 簡約群 / 積分変換 / ベキ零軌道 / 軌道分解 / 超幾何 / サイクル / マーラー測度 |
Research Abstract |
本年度は本研究の最終年度である。研究代表者・落合は昨年度までに引き続いて実簡約群の表現に対して、表現の不変量の研究を行うと同時に4年間の研究成果のとりまとめを行なった。 対称対に対応したテータ持ち上げで現れる表現の随伴多様体とその重複度や次数を表す公式を西山享(京都大学)ならびにC.B.Zhu(シンガポール国立大学)と共同で与え、その論文を公表し研究成果の公開を行った。現在、離散系列表現以外の表現に対する研究がさらに進展しており、また、得られた表示式が2項型の多項式(ずれを持ったシューア関数)と関連することを観察している。これらの新しい進展についても近いうちに成果をまとめる予定である。 近年いろいろな不変量とのつながりが出てきている多重ゼータ値について対称性の観点からの研究に着手した。井原健太郎(近畿大学)と共同で深さ3の多重ゼータ値の間の一つの線形関係式である2重切り混ぜ関係式の間に鏡映群の(半)不変構造があることを発見した。このことの応用として次元の母関数に関するBroadhurstらの予想を上からぴったり評価する結果を得ている。 表現の幾何学的不変量の一つに特性多様体があるが、離散系列表現の場合はそれは一般旗多様体上の閉軌道の余法束である。山下博(北大,with 坂田),Barchini(Oklahoma州立大,with R.Zierau)らの精力的な研究によって、自然な群作用に関する概均質性が成り立たない例が不定値ユニタリ群U(7,7)に対して提示されたが、この反例を不変式論から理解するために相対不変式を構成し絶対不変式を明示的に決定した。これに関連し、研究分担者・小林は極小表現の実現の研究および不連続群の固有な作用に関する研究を行い、幾何学的な立場から包括的な成果を得ている。
|
Research Products
(6 results)