2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15340008
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
並河 良典 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (80228080)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 正樹 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50025459)
上野 健爾 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40011655)
森脇 淳 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70191062)
加藤 文元 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (50294880)
前野 俊昭 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (60291423)
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Keywords | 複素シンプレクティック多様性 / 向井フロップ / 導来圏 / シンプレクティック特異点 / べき零軌道 / 双有理幾何 / 複素単純リー環 |
Research Abstract |
双有理同値な複素シンプレクチック多様体を考える。両者の連接層の導来圏の間には、双有理射から自然に決まる圏同値が存在すると予想される。4次元の場合、射影的な複素シンプレクチック多様体の間の双有理射は向井フロップの合成として書ける。向井フロップで導来圏の同値性はたもたれるので、この場合には、予想は正しい。本年度試みたのは、これを高次元化することである。高次元の場合、双有理射を従来の向井フロップの合成として書くこと不可能である。良く知られたシンプレクチック特異点の例として、複素単純リー環のべき零軌道の閉包がある。例えば、向井フロップはA型の極小べき零軌道の閉包の2つの異なるシンプレチック特異点解消としてえられる。そこで、一般の複素単純リー環のべき零軌道にたいして、相異なるシンプレクチック特異点解消がどのような基本変換(フロップ)で結ばれるかを研究した。得られた結果はつぎの通りである。従来の向井フロップを一般化したA型、D型、$E_6$型の向井フロップを考えると、任意の2つシンプレクチック特異点解消はこれらの一般化されたフロップの合成で結ばれる。さらに、特異点解消の個数をDynkin図形を用いて計算することも可能である。ここで現れたA型向井フロップは、Markmanが"stratified Mukai flop"と呼んで研究したものである。しかし、残りのD型、$E_6$型は、新しいタイプのフロップである。これらの結果を論文「Birational geometry of symplectic resolutions of nilpotent orbits」としてまとめ、現在投稿中である。今後の課題は、これらの3種類の向井フロップに対して、何らかな意味で自然な導来圏同値を構成することである。
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Research Products
(2 results)