2004 Fiscal Year Annual Research Report
跡公式に視点をおいた双対性-“無限和=無限積"型等式とゼータ関数の研究
Project/Area Number |
15340012
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
若山 正人 九州大学, 大学院・数理学研究院, 教授 (40201149)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 昌信 九州大学, 大学院・数理学研究院, 教授 (70202017)
梶原 健司 九州大学, 大学院・数理学研究院, 助教授 (40268115)
黒川 信重 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (70114866)
梅田 亨 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (00176728)
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Keywords | ゼータ正規化積 / 跡公式 / スペクトルゼータ関数 / q-類似 / リーマンゼータ関数 / セルバーグゼータ関数 / 非可換調和振動子 |
Research Abstract |
今年度中に代表者が分担者や研究協力者と行った研究は以下のとおりである。 1.ゼータ正規化積の研究:既知の多重ガンマ関数や多重三角関数が、すべて、ゼータ正規化積を用いて表示できることを示した。 2.ゼータのq-類似の研究:上記の項目のq-類似の研究を行った。楕円関数の新しいq-展開も得られた。 3.和分ゼータ関数の研究:Higher Selberg zeta関数と呼ぶことになった、和分ゼータ関数を導入しその解析的性質をつまびらかにした。また、完備型のHigher Selberg zeta関数を得る際に必要となるガンマ因子を一般化されたゼータ正規化積の理論を作り上げることで計算した。 4.トーラスのSelberg (=Ruelle)型ゼータ関数の研究を行い、新しい数論的数え上げの問題を提出、その一部には解答を与えた。 5.非可換調和振動子のスペクトルのゼータ関数の研究:非可換調和振動子は以前にA.Parmeggiani (Bologuna大学)と代表者によって導入され、そのスペクトルの構造が理論的に調べられたが、スペクトルの具体的な様子はまったく未知であった。そのためにも、スペクトル全体がどのようになっているかを調べる別の観点が必要であった。そのような状況下 a)スペクトルゼータ関数の解析接続を熱半群の理論を利用し行った。副産物として、与えられた正の数以下の固有値の個数を評価する「Weylの法則」と呼ばれる結果を得た。 b)スペクトルゼータ関数の特殊値の研究を行った。そしてその特殊値が、4点を確定特異点にもつFuchs型微分方程式の解で統制されていることを見た。
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Research Products
(6 results)