2005 Fiscal Year Annual Research Report
フレアーコホモロジー、ミラー対称性予想と特異点の研究
Project/Area Number |
15340020
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
太田 啓史 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (50223839)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 亮一 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (20162034)
佐藤 肇 名古屋大学, 大学院多元数理科学研究科, 教授 (30011612)
土屋 昭博 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (90022673)
菅野 浩明 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (90211870)
深谷 賢治 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30165261)
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Keywords | シンプレクティック幾何 / フレアコホモロジー / ラグランジュ部分多様体 / A_∞代数 / ミラー対称性予想 / 変形理論 / 障害理論 / 量子コホモロジー |
Research Abstract |
今年度は主にラグランジュ部分多様体Lに付随するフィルター付きA_∞代数とフレアーコホモロジーの障害理論と変形理論に関する論文の最終的な加筆修正作業に集中し、多くの時間と労力を費やした。これは本研究課題の研究分担者でもある深谷賢治(京都大)、小野薫(北海道大)、およびYong-Geun Oh(ウイスコンシン大)各氏との共同研究である。現在1000ページを越える膨大な論文となっている。加筆修正の作業の過程の中で、今年度新たに得られた知見として、Arnold-Givental予想に関わる2次的対合(擬正則円板のモジュライ空間上に引き起される対合)の精緻な解析、およびフィルター付きA_∞代数の構成の際に必要な横断正則性の議論があげられる。特に、後者の横断正則性については、2000年に発表したプレプリント版における議論と大きく異なっており、議論は一見長大になったようにみえるが議論の構造自体はより汎用性のあるものとなっており、自然なものとなっている。ここで得られた議論の方法は今後いくつかの研究において基本的な考え方となると思われる。更に、A_∞代数を対称化することによりL_∞代数が得られるが、向きに関する精密な議論を行うことにより、ある種の実部は非障害的でA_∞代数構造が引き起す積構造が可換になることがわかった。また、シンプレクティック多様体Mに対し、M×Mの中の対角線集合をラグランジアン部分多様体とするフレアーコホモロジーの積構造はMの量子コホモロジーの積構造と一致することもわかる。これは相対化されたミラー対称性予想から、絶対版ミラー対称性予想が従うことを意味する。
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Research Products
(5 results)