2005 Fiscal Year Annual Research Report
乗数イデアル層の複素幾何学における基礎付けとその応用
Project/Area Number |
15340026
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高山 茂晴 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 助教授 (20284333)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平地 健吾 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 助教授 (60218790)
高木 寛道 東京大学, 大学院数理科学研究科, 助教授 (30322150)
佐藤 栄一 九州大学, 大学院数理科学研究院, 教授 (10112278)
満渕 俊樹 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80116102)
辻 元 上智大学, 理工学部, 教授 (30172000)
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Keywords | Hodge計量 / Griffiths正 / 順層 / 随伴束 |
Research Abstract |
C.Mourougane氏(Paris VI大学)と共同で準豊富直線束に付随した直線束の順層のある正値性についての研究を行った.X,Bを複素多様体,π:X→Bをその間の正則写像で,滑らか,Kahlerとする.またLをX上の正則直線束とする.このとき次の結果を得た. 定理1.Lが準豊富ならば,ベクトル束π_*(K_<X/B>【cross product】L)はGriffthsの意味で半正である. 定理2.Lが豊富ならば,ベクトル束π_*(K_<X/B>【cross product】L)はGriffthsの意味で正である. 証明のアイデアは以下の通りである.適当に大きな自然数kに対し,L^<【cross product】k>は大域切断で生成されているとする.そして一般の正因子D∈|L^<【cross product】k>|をとり,p:Y→XをDで分岐するk次の巡回被覆をする.構成よりp_*O_y=【symmetry】^<k-1>_<i=0>L^<【cross product】-i>が成立つ.f=πop:Y→Bを合成写像をする.fはもはや滑らかな写像ではない.f_0:Y_0→B_0をその滑らかな部分とする.B_0上でR^nf_*O_Y=R^nπ_*(【symmetry】^<k-1>_<i=0>L^<【cross product】-i>)である.ここでn=dimX-dimB.よって双対性によりB_0上でR^0f_*K_<Y/B>=【symmetry】^<k-1>_<i=0>π_*(K_<X/B>【cross product】L^<【cross product】i>を得る.このR^0f_*K_<Y/B>に対してGriffiths-Fujitaの方法により,B_0上ではいわゆるHodge計量によりR^0f_*K_<Y/B>はGriffiths半正であることが分かる.特にその直和因子であるπ_*(K_<X/B>【cross product】L)もB_0上でGriffiths半正である.B_0以外での半正値性を得るためにD∈|L^<【cross product】k>|を動かすことを考える.するとp:Y→Xおよびf:Y→Bが動く.そしてそれぞれで得られたπ_*(K_<X/B>【cross product】L)のHogde計量から誘導された計量を足し合わせることにより,B上でGriffiths半正な計量を得る.また,上の定理の系として,次のようなGriffiths予想に対する部分的な解答を得た. 系.(準)豊富なベクトル束Eに対し,S^k(E)【cross product】detEはGriffiths(半)正である.
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Research Products
(4 results)