2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15340036
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Research Institution | KEIO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
前島 信 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (90051846)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仲田 均 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (40118980)
谷 温之 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (90118969)
田村 要造 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (50171905)
佐藤 健一 名古屋大学, 名誉教授 (60015500)
渡部 俊朗 会津大学, 総合数理科学センター, 専任講師 (50254115)
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Keywords | レヴィ過程 / 半レヴィ過程 / 無限分解可能分布 / 確率積分表現 / 半自己相似過程 / 加法過程 |
Research Abstract |
3年間の補助金の最終年度であるが、今年度も、研究課題に関係ある無限分解可能分布のいろいろなクラスの、確率積分表現の研究に多くの時間を充てた。その結果、今年度の補助金交付申請時に目標とした、タイプGクラスおよびそのサブクラス系列の確率積分表現による特徴づけ、さらに、タイプGかつ自己分解可能である分布のサブクラスとして、非常に特徴的な表現をもつ新しいクラスを見つけた。その他にもよい結果を得て、2005年11月、ミュンヘン工科大学のセミナーで専門家の前で前島が成果を発表し、大きな賞賛を得た。結果として、半レヴィ過程に関する大きな成果を得ることは出来なかったが、確率積分表現に現れる確率過程レヴィ過程を半レヴィ過程に置き換えて研究する問題は、そのセミナーでも新しい問題として提起したが、大いに関心を持たれ、新しい国際共同研究の芽になりうることがわかった。それらは主に、前島・佐藤および、前島の学生、さらには米国テネシー大学のRosinskiとの共同研究として行われた。また、補助金交付申請時に述べた新しいテーマ、一般化Ornstein-Uhlenbeck過程についても、その時間極限として得られるLevy積分と呼ばれるものについて、無限分解可能性について調べた。その結果、非常にゆるい条件のもとで自己分解可能になること、さらには、面白い例をいくつか構成することができた。これらの結果は、2006年3月にメキシコで開かれる専門国際会議で、前島が報告する予定である。3年間の研究の結果、次のステップとして、レヴィ過程を半レヴィ過程に置き換えて表現できる無限分解可能確率変数の研究への道筋が見えてきて、無限分解可能分布のより詳しいクラス分けの展望が開かれ、半レヴィ過程の導入の意味がより明らかになりつつある。 又それらとは別の問題として、前島はメキシコCIMATのPerez-Abrueと共同で、確率行列の行列式が無限分解可能になる例を見つけ、現在国際誌に投稿中である。これはもとの確率行列自身は(行列値確率変数として)無限分解可能でない例として知られているもので、その意味でも、興味深い。
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Research Products
(6 results)