2004 Fiscal Year Annual Research Report
余次元が2である分岐点の近傍における解構造の数理解析
Project/Area Number |
15340038
|
Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
池田 勉 龍谷大学, 理工学部, 教授 (50151296)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 榮雄 富山大学, 理学部, 教授 (60115128)
森田 義久 龍谷大学, 理工学部, 教授 (10192783)
二宮 広和 龍谷大学, 理工学部, 助教授 (90251610)
阪井 一繁 龍谷大学, 理工学部, 助手 (00288664)
長山 雅晴 金沢大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (20314289)
|
Keywords | 双安定反応拡散系 / 内部遷移層 / 分岐構造解析 / 正六角形パターン / ロールパターン / 固有値の絶対値 / 燃焼パルス / パルスダイナミクス |
Research Abstract |
前年度に引き続き,斉次ノイマン境界条件が課された,空間1次元有限区間上の双安定反応拡散系に現れる余次元が2である分岐点の近傍における解構造の研究を実施した.2個の内部遷移層を持つ解が現れるこの方程式系には2つのパラメータd(-1<d<1)とτ(τ>0)がある.dは内部遷移層間の幅をコントロールし,τは緩和時間比を表す.τが大きい時は静止内部遷移層解が安定であるが,τの値を小さくするとさまざまな内部遷移層解が現れる.さらに,余次元が2である分岐点の一種である2重ホップ分岐点を与えるパラメータ{d,τ}の組が加算無限個存在することが知られている.そのうちの1組だけについてd〓-1であり,他のすべてについてd〓1である.その内本年度はd〓1である分岐点の近傍での解構造を数値計算,数理解析,分岐構造解析によって調べたが,際立った結果は現時点では得られていない. 熱対流問題について,我々の数値シュミレーション結果に注目した大阪大学大学院基礎工学研究科のグループによって大きな進展が得られた.すなわち,正六角形パターンやロールパターンが同時に分岐する状況下で3次までの標準形を求め,正六角形パターンは不安定であるものの対応する固有値の絶対値が非常に小さいことなどを明らかにした.こういった状況を鑑み,熱対流問題にかける重みを減じ,代わりに,燃焼波が現れる燃焼法方程式系に冷却効果と原料供給項を付加したシステムを扱うことにした.その結果,新しい方程式が適切なパラメータに対して燃焼パルス解を持つこと,さらには,この方程式を円周上で考え逆方向に進む燃焼パルスを衝突させると,今まで観測されなかったようなパルスダイナミクスが現れることがわかった.
|
Research Products
(6 results)