2006 Fiscal Year Annual Research Report
偏微分方程式の解の空間臨界点および等位面の挙動と解の形状
Project/Area Number |
15340047
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
坂口 茂 愛媛大学, 理工学研究科, 教授 (50215620)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三上 敏夫 北海道大学, 理学研究院, 助教授 (70229657)
橋本 貴宏 愛媛大学, 理工学研究科, 助手 (60291499)
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Keywords | 拡散方程式 / 非線形拡散方程式 / 初期境界値問題 / 初期値問題 / 等温面 / ホットスポット / 熱方程式 / 等位面 |
Research Abstract |
主な研究目的は、拡散方程式の解の等位面の挙動および解の形状と領域の幾何の関係を調べることである。今年度、この研究によって得られた新たな知見は主に次のようである。 1.N次元ユークリッド空間内の非有界な境界∂Ωをもつ領域Ω上の熱方程式の初期斉次ディリクレ問題で特に初期値を正定数とする解を考察し、もし一つの等温面が不変ならば∂Ωは超平面に限るという定理たちをΩに対するある大域的な条件の下に示した。(Indiana University Mathematics Journalに掲載受理) 2.2次元ユークリッド空間内の有界凸領域Ω上の熱方程式の初期斉次ディリクレ問題で特に初期値を正定数とする解を考察し、もし原点が常にホットスポットならば、Ωを全ての辺が円に内接する凸m角形(m≧5)に限るとき、以前に得られていたバランス法則からの直接の帰結に加えてさらに領域の対称性に関する新しい必要条件を得た。この新条件の帰結として、もし原点に最も近い頂点たちが連続していれば、Ωは正m角形に限ることがわかった。(論文投稿中) 3.線形拡散方程式の初期境界値問題で特に初期値を零、境界値を正定数とする解の初期挙動が境界からの距離関数を用いて記述されるというS.R.S.Varadhan(1967)の定理を非有界領域も含む一般の領域上の一様放物型の非線形拡散方程式に対する初期境界値問題の場合に粘性解の理論を用いて拡張した。この結果を利用して、熱方程式の場合の不変な等温面を一つもつ解の特徴付けの定理を非線形拡散方程式の場合に境界が有界な領域に対して示した。さらに、放物型Harnackの不等式を利用して、一様放物型の非線形拡散方程式の初期値問題に対して初期値がある領域の特性関数の場合に同様な結果を得た。(論文準備中)
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Research Products
(1 results)