2005 Fiscal Year Annual Research Report
近赤外深宇宙探査による宇宙の暗黒時代と宇宙再電離源の研究
Project/Area Number |
15340059
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
谷口 義明 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (40192637)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市川 隆 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (80212992)
村山 卓 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (30322994)
|
Keywords | 銀河形成 / 銀河進化 / 観測的宇宙論 / 宇宙再電離 |
Research Abstract |
本計画では可視光帯ではプローブできないz>8の高赤方偏移宇宙にある銀河やクェーサーの近赤外線探査を行うものである。この目的のために文部科学省国立天文台の「すばる望遠鏡」 (アメリカ合衆国ハワイ州ハワイ島マウナケア山頂に設置されている口径8.2mの光学・赤外線望遠鏡)が世界に誇る広視野赤外線カメラ(MOIRCS)を開発し、研究の準備を進めてきた。 MOIRCSの諸観測機能の確認を平成18年2月までに完了し、すばる望遠鏡の共同利用観測装置としてS06B攻めスターからの公開にこぎつけた。MOIRCSは世界各国の研究者らの注目を集めている装置であり、その責任を果たせたことは非常に大きな成果である。 またMOIRCSチームに与えられる観測保障時間の使用も昨年末から開始され、近赤外線の広帯域フィルターによる基礎データの取得を、既に始めることができた。これも我々の研究目的の遂行には、大きなステップとなった。 観測に用いる近赤外線域における狭帯域干渉フィルターを平成17年度内に開発し終えた。いよいよ平成18年度内には狭帯域フィルターによる、赤方偏移z>8の銀河探査が行える体制を整えるところまできた。 データ解析ツールの準備も順調に進み、各種パイプラインの動作確認が完了し、実際のデータ解析に十分に耐えうるものが完成した。狭帯域フィルターによる、赤方偏移z>8の銀河探査で発見される候補天体については、フォローアップのためのスペクトル観測が必要になる。この目的のためにはMOIRCSの分光観測機能が用いられる。通常の撮像観測に比べると、格段に複雑な操作が要求される。しかし、分光観測機能のテストも既に行い、準備体制が今年度内に整った。 我々の観測天域は、ハッブル宇宙望遠鏡のディープサーベイフィールドの一つであるGOODS-North(GOODS=Great Observatories Origins Deep Survey)の可視光帯のサーベイを平成17年度に行った(すばる望選鏡の主焦点カメラであるSuprime-Camを使用)。また、GOODSのメンバーであるBahram Mobasher(宇宙望遠鏡科学研究所)とMark Dickinson(アメリカ国立光学天文台)両博士と、研究連絡を何回か行い、GOODSチームの取得している多波長帯のデータベースを使用する許可を得ている。 以上のように、本研究計画は、極めて順調に進んでいる。
|
Research Products
(7 results)
-
-
-
-
-
-
-
[Book] 暗黒宇宙の謎2005
Author(s)
谷口 義明
Total Pages
268
Publisher
講談社
Description
「研究成果報告書概要(和文)」より