2005 Fiscal Year Annual Research Report
南アフリカ1.4m望遠鏡による赤外線での銀河中心サーベイ
Project/Area Number |
15340061
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
長田 哲也 京都大学, 理学研究科, 教授 (80208016)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 修二 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50025483)
杉谷 光司 名古屋市立大学, システム自然科学研究科, 助教授 (80192615)
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Keywords | 光学赤外線望遠鏡 / 赤外線サーベイ / 銀河中心 / 銀河系 / 星間塵 / 星間減光 / red clump star / 銀河構造 |
Research Abstract |
銀河中心方向のJHK3バンドの高解像度赤外線サーベイ観測を、0.45秒角ピクセルの高解像度で行なった。観測領域は銀緯方向に±1度(±150pc)銀経方向に±2度(±300pc)をカバーする。観測機器はHAWAIIアレイとよばれる1024x1024素子のHgCdTe赤外線検出器を3個装備した3色同時撮像近赤外線カメラ(SIRIUS)であり、名古屋大学大学院理学研究科が南アフリカ天文台サザーランド観測所に設置した1.4m望遠鏡に搭載した。 数多くの赤外線源を検出し、その中からred clump starsと呼ばれるヘリウム燃焼段階の星を選び出して標準光源として用い、星間物質による減光を決定した。Red clump starsを使うと、減光の波長依存性を求める際に良く使われてきた色超過の方法とは違って、減光の絶対値を近赤外線のKバンドで初めて精度良く求めることができる。星間塵のJHKバンドでの減光量がRieke-Lebofsky則(ほぼ波長の-1.6乗に比例)からずれていることが明らかになった。従来、近赤外域では減光則はどの方向でも一定という粗い議論がなされてきたが、銀河中心方向では波長のほぼ-2乗に比例して早く減少することを示した。これは、星間塵のサイズや成分の差異を示唆するとともに、観測結果の赤化補正の際にも重要な結果である。 同様に、へびつかい座とカメレオン座の暗黒星雲での減光則もその背景星の近赤外線サーベイから求めた。減光の波長依存性はわずかに異なるだけだった。従来の研究では、2つの暗黒星雲は大きく異なる減光則を示すとされていたが、その差は主に観測の測光システムの差によるものにすぎなかったらしいと結論した。これらの論文はAstrophysical Journal誌に受理された。
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Research Products
(6 results)