2004 Fiscal Year Annual Research Report
星周塵候補物質の紫外-遠赤外領域における光学的性質の研究と赤外線天文学への応用
Project/Area Number |
15340064
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Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
小池 千代枝 京都薬科大学, 薬学部, 教授 (20097835)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅本 光一郎 京都薬科大学, 薬学部, 講師 (80097831)
深田 守 京都薬科大学, 薬学部, 助教授 (00097841)
周藤 浩士 国立天文台, ハワイ観測所, 主任研究員 (50300710)
土山 明 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90180017)
奥田 治之 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部, 名誉教授 (50025293)
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Keywords | 星周塵 / 遠赤外スペクトル / 低温 / 微粒子 / バルクの反射率 / オリビン / フォルステライト / 炭酸塩鉱物 |
Research Abstract |
今までは観測のスペクトルと比較してそこに存在する物質を同定するときには、一般的には室温で物質の測定データしかないので室温のデータと比較していた。ところが星周では40-200Kとかなり温度が低いと予想されているし、また低温でのスペクトルは変化するといわれてきた。我々は、オリビンと炭酸塩鉱物について連続的に低温にしてスペクトルがどのようになるか低温装置を使用して中間赤外と遠赤外で測定した。遠赤外については、前年度でも測定していたが、水の吸収が49,69ミクロンバンドと重なってしまうので、この水の吸収を除去するために乾燥空気の変わりに窒素ガスを大量に流して、微粒子とバルクについてきれいなスペクトルを得ることができた。これは、月・惑星シンポジウムや天文学会で報告して好評であった。さらにパリでの国際学会で微粒子とバルクについての低温での変化について報告したところ、すごい反響でこれらのデータを大歓迎するとのコメントがあった。 低温にすると、ピークの位置は短波長にシフトし、ピークは非常に鋭くなり、強度は強くなる。これは、観測している領域の温度を推定するための良い指漂になりうる。特にMg-richなシリケイトダストのピークが検出されているので、この指標は重要となる。今回の我々のフォルステライトの69μmバンドのピークは今まで以上にきれいなデータとなり、温度とピークの良い相関を示した。これから観測のピーク位置から温度を推定することが可能となり、そのほかの研究会でも好評であった。これについては、来日したイエナのグループの一人は論文を書くのをあきらめ、共著にしてくれというくらいインパクトが強かったものと思われる。 低温でのオリビンの微粒子のデータについては現在イエナとの共著の論文を目指しており、世界中で大々的に進められる観測との比較に期待がもたれる。
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Research Products
(6 results)