20kgキセノン検出器による暗黒物質探索実験

2003 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 15340081
• Research Institution: Waseda University
• Principal Investigator: 鈴木 聡 早稲田大学, 理工学総合研究センター, 助教授 (30318828)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 大谷 航 東京大学, 素粒子物理国際センター, 助手 (30311335) ; 寺沢 和洋 早稲田大学, 理工学総合研究センター, 講師 (10329138) ; 森山 茂栄 東京大学, 宇宙線研究所, 助教授 (50313044) ; 錦戸 文彦 早稲田大学, 理工学総合研究センター, 助手 (60367117)
• Keywords: 暗黒物質 / WIMPs / キセノン / 宇宙線

Research Abstract

キセノンのシンチレーション光の収集効率を上げるため、検出器の形状の再検討を行った。詳細なシミュレーションを行った結果、キセノンの全質量が15kgの場合が最適であることが判明した。そのため、検出器内部の改造に着手した。検出器周辺に使用している物質の放射性不純物の濃度を測定し、それらが検出器におよぼす影響をコンピューターシミュレーションにより求め、それと実際の測定値とを比較し、ガンマ線バックグラウンドの発生の起源を解明した。その結果を基に、使用材質や放射線シールドの改善に努めた。中性子バックグラウンドに関しては、He3検出器および液体シンチレーターを用い、精度の高い速中性子の計測を行った。その結果は期待している暗黒物質の計測数よりも1桁ほど高いことが分かった。これを3桁以上下げるために放射線シールドの構造を検討し、その強化に努めた。それと平行して、キセノン中に含有している放射性不純物であるクリプトン85をさらに除去するために、蒸留による純化方式の開発に着手し、装置を製作した。ガンマ線バックグラウンドの発生源として最も寄与の大きい光電子増倍管に関しては、さらなる低バックグラウンド化を図る必要があるため、積極的に開発を進めていく方針をたてた。この2相型キセノン検出器を用いて暗黒物質の採集だけでなく、136キセノン2重β崩壊の探索や太陽ニュートリノの検出実験も同時に行える多目的大型検出器の開発を提案した。

Research Products

• [Publications] M.Yamashita, I.Doke, J.Kikuchi, S.Suzuki: "Response of Liquid Xe Scintillator with PTFE Reflector for Gamma Rays"Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A. 印刷中. (2004)
• [Publications] M.Yamashita, I.Doke, J.Kikuchi, S.Suzuki: "Double phase (liquid/gas) xenon scintillation detector for WIMPs direct search"Astroparticle Physics. Volume 20. 79-84 (2003)