2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15340085
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Research Institution | High energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
宮武 宇也 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教授 (50190799)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鄭 淳讃 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教授 (00262105)
石山 博恒 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助手 (50321534)
渡辺 裕 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助手 (50353363)
下田 正 大阪大学, 理学研究科, 教授 (70135656)
光岡 真一 日本原子力研究所, 物質科学部, 副主任研究員 (40354881)
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Keywords | 天体核物理 / 短寿命核ビーム / 原子核物理 / r-過程 / 中性子過剰核 / レーザーイオン源 / スピン偏極 |
Research Abstract |
この研究では、超新星爆発時の重元素合成過程模型に焦点を絞り、この模型に含まれる様々な核反応率の精度を高める事によって、早い中性子捕獲により生成されたと考えられている重元素の起源を定量的に解明するための基礎構築を目指している。はじめに注目したのは、超新星爆発直後の重元素生成のための種核形成過程の定量化であった。 この種核形成過程では、msec程度の短い時間スケールで3-5x10^9K程度の高温環境下において、(α,n)などの反応により鉄周辺までの種核が形成されると考えられている。主な反応経路は、安定核よりもわずかに中性子過剰核側にあり、定量的な元素合成シミュレーションを行うためには、軽い中性子過剰核の上記反応断面積が必要となる。通常これらの物理量は、短寿命核が介在するために殆どが未知の量であるが、統計模型により確からしい推定が出来るとされている。しかし、軽い核では、統計模型の基礎である励起準位の状態密度が高くないために、その推定値が実際を良く再現しているかいなかが不明であり、実験的に直接断面積を求める事が必要とされていた。 この研究では、すでに我々のグループではじめていた短寿命核による(α,n)反応断面積直接測定の測定方法をさらに改良し、以前よりも強度の高い短寿命核ビーム(10^4pps)による実験を可能としている。これにより、^<16>N,^<12>B,^8Liビームによる(α,n)反応断面積の測定に成功し、一部のデータについて解析を終了する事が出来た。 我々のグループでは、加速された短寿命核ビームを利用する施設を建設中であるが、そこでの研究の展開のため、レーザーイオン源の基礎技術開発、スピン偏極を利用した新しい核分光法の開発等についても、本研究の一部として進める事が出来た。
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Research Products
(7 results)