2005 Fiscal Year Annual Research Report
銀河間物質からの酸素輝線検出のためのマグネティックカロリメータの開発
Project/Area Number |
15340088
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Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency |
Principal Investigator |
山崎 典子 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部高エネルギー天文学研究系, 助教授 (20254146)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤本 龍一 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部高エネルギー天文学研究系, 助手 (20280555)
石崎 欣尚 首都大学東京, 都市教養学部, 助手 (10285091)
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Keywords | 放射線検出器 / SQUID / 磁気温度計 / 高エネルギー宇宙物理 / 銀河間物質 |
Research Abstract |
1.Gradiometer型SQUIDの評価 マグネティックカロリメータからの信号を読み出すために、センサを直接設置でき、かつグラジオメータ構造によって環境磁場のゆらぎを相殺するようなSQUIDを昨年度設計した。このSQUIDの性能評価を行い、断熱消磁冷凍機内で60mKに冷却した状態で、目標であるノイズレベル0.5μΦ_/√Hz以下を達成していることを確認した。また、SQUID基板上に設置した磁場印加コイル、およびコイルへの電流を制御する超伝導スイッチについても所定の動作を確認した。 2.Gladiometer型SQUIDを用いたX線検出 上記SQUID上にAu:Erセンサを貼付し、断熱消磁冷凍機内で55FeからのX線を照射し、X線検出実験を行った。X線による信号が得られ、分解能としては6keVにおいて50eV以下を確認した。このエネルギー分解能は半導体検出器を凌駕しているものの、SQUIDのノイズレベルから期待される値よりは劣化している。磁場印加は永久電流によって行っているが、外乱磁場あるいは温度の不安定性による影響で信号波形そのものが変化している可能性が高い。来年度にむけ改善を試みる。 3.Au:Erセンサの作成方法の改良 金に微量のErを溶融したAu:Erによる磁気温度計センサ部の作成について、作成時の圧力、温度の調整による均質化に取り組んだ。また、レーザーマーカによって数十μm以下の大きさに切断する工夫をしているが、まだ成功率が低く今後の改良が必要である。 4.銀河間物質の観測的研究 Chandra/XMM-Newton衛星を用いて銀河間物質の観測的研究を行い論文として発表した。また今年度軌道上に打ち上げられた「すざく」衛星による観測結果についても、解析を進めている。
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Research Products
(3 results)