2006 Fiscal Year Annual Research Report
銀河間物質からの酸素輝線検出のためのマグネティックカロリメータの開発
Project/Area Number |
15340088
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Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency |
Principal Investigator |
山崎 典子 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部, 助教授 (20254146)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤本 龍一 金沢大学, 理学部, 助教授 (20280555)
石崎 欣尚 首都大学東京, 都市教養学部, 助手 (10285091)
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Keywords | 放射線検出器 / SQUID / 磁気温度計 / 銀河間物質 / 高エネルギー宇宙物理 |
Research Abstract |
1.Gradiometer型SQUIDの評価 マグネティックカロリメータの読み出しに使用するgradiometer型のSQUID素子の評価を行った。60mKまでの冷却試験を行ない、磁場中においてもノイズレベルとして0.5μΦ_0/√<Hz>を達成し、論文を発表した。またさらなるノイズ削減等のための改良に着手、製作・評価を行った。 2.断熱消磁冷凍機の改良 これまで冷却実験を行っていた冷凍機の温度安定度の改善を行う予定であったが、真空漏れ等により最低到達温度が劣化するという不具合が発生したため、断熱消磁冷凍機全体の真空系、配線の見直しを行うに留まった。 3.銀河間物質に関する観測的研究 「すざく」衛星搭載X線CCDカメラを用いることで銀河間物質、銀河内の星間物質における酸素輝線を観測可能になった。カロリメータのように赤方偏移を用いて奥行き方向の距離を決めることは難しいが、銀河間空間での酸素の総量を明確に測定可能になったことは画期的である。これらを用いて銀河団内部、および銀河団周辺の重力的に束縛されていない大構造を形成するバリオン中の酸素の量について観測的に決定、制限を行ない論文にまとめた。 4.将来の銀河間物質観測ミッションに関する検討 カロリメータを用いて、銀河間物質の直接観測を行う衛星計画が、日本国内の小型衛星計画DIOSや、国際共同ミッションEDGEとして検討されている。宇宙大構造を見るのに必要な観測的精度や、技術的可能性などの具体的な項目について検討を行った。
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Research Products
(4 results)