2003 Fiscal Year Annual Research Report
II-VI族希薄磁性半導体のタイプII量子井戸構造における光誘起強磁性の研究
Project/Area Number |
15340096
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中村 新男 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (50159068)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋本 良一 産業技術総合研究所, 光技術研究部門, 主任研究員 (30356349)
濱中 泰 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (20280703)
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Keywords | タイプII量子井戸構造 / 希薄磁性半導体 / 磁性イオン-キャリヤ交換相互作用 / 2次元励起子 |
Research Abstract |
1)ZnSe/Be(Mn)Te量子井戸構造の作製 分子線エピタキシーによりZnSe/Be(Mn)Te多重量子井戸構造およびZnSe層にCdSの極薄層(2ML)を挿入した電子二重井戸タイプII構造を作製した。(CdS/ZnSe)/Be_<1-x>Mn_xTe多重量子井戸では電子はCdS層、正孔はBe_<1-x>Mn_xTe層に閉じ込められる。発光スペクトルには、CdS層の電子とBe_<1-x>Mn_xTe層の正孔との再結合発光が観測され、その強度はCdS層、ZnSe層が厚くなるにつれて減少した。また発光寿命は1〜2μsでありZnSe/Be_<1-x>Mn_xTe多重量子井戸の寿命に比べると長く、CdS層を挿入することによってそれぞれの井戸層に電子と正孔を閉じ込める効果を大きくすることができた。 2)ZnSe/Be(Mn)Te量子井戸の構造解析 多重量子井戸構造のヘテロ界面の急峻性、合金化について断面走査トンネル顕微鏡(STM)によって調べた。4モノレイヤー(ML)程度の揺らぎとテラス構造が観測され、急峻な界面が形成されていることがわかった。 3)発光、磁気光学効果の測定 ZnSe/Be_<1-x>Mn_xTe多重量子井戸(x=0.015〜0.054)の発光スペクトルとその磁場依存性を測定した。発光は平均的な井戸厚の領域に存在する励起子、およびBe_<1-x>Mn_xTe層の厚さが2ML厚い領域に局在した正孔が関与する励起子に起因する。 Mn組成の異なる発光スペクトルの比較から、Be_<1-x>Mn_xTe価電子帯上端のエネルギーはMn組成の増加に従って増加し、価電子帯オフセットが0.9+(1.8±0.3)x (eV)に従うことがわかった。磁場下において発光スペクトルを測定してBe_<1-x>Mn_xTeのp-d交換相互作用について調べた。巨大ゼーマンシフトの磁場依存性から、Be_<1-x>Mn_xTeのp-d交換定数をN_Oβ= -0.34±0.01eV と決定した。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] A.Nakamura, N.Kato, I.Yamakawa, R.Akimoto: "Magnetic field enhanced luminescence in ZnSe/BeMnTe maultiple quantum wells with a type II band alignment"Journal of Luminescence. (印刷中). (2004)