2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15340108
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
社本 真一 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 主任研究員 (90235698)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梶谷 剛 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80134039)
樹神 克明 独立行政法人, 日本原子力研究開発機構・量子ビーム応用研究部門, 研究員 (10313115)
飯久保 智 独立行政法人, 日本原子力研究開発機構・量子ビーム応用研究部門, 博士研究員
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Keywords | 超伝導 / 2重ハニカム格子 / 層状窒化物 |
Research Abstract |
2重ハニカム格子関連化合物として、Na_<0.9>Zr_2N_2S_<1.5>,Na_<0.85>Hf_2N_2S_<1.5>,Zr_2N_2S, Hf_2N_2Sについて、それらの構造解析を粉末X線回折により行った。後ろの2つについては、-101と10-3のピークが特徴的にブロードになり、α-M_2N_2Sとβ-M_2N_2Sのインターグロースが起こっていることがわかった。これらは2次元化合物特有の積層欠陥であり、互いのエネルギー差がかなり小さいものと思われる。構造解析の際にはこれらのブロードなピークを取り除いて行った。それらの結果から、各々の化合物について遷移金属原子によるバンド幅を求めた。それらの値は、いずれもこれまで最もバンド幅の狭かったNa_<0.28>HfNClの値より狭く、電子状態密度が大きくなっていることを示唆している。しかし遷移金属原子を挟む2種類の陰イオンの電荷比が小さいとバンド幅が狭くなると考えた当初の予想とは対応せず、絶縁体については予想とは逆となった。なお、すでに超伝導が発現しているHfNClおよびZrNCl系については、キャリアドープ前の値から、ドープ後にバンド幅は広くなっており、今回求めた絶縁体のバンド幅もキャリアドープができれば、広くなる可能性がある。なおすでにキャリアがドープされているYOCl系では、これまで超伝導が見つかっている系に比べてもバンド幅が狭いことから、キャリア数が十分あるにもかかわらず、強い局在の効果で絶縁体になっているものと思われる。これらのキャリアがドープされた絶縁体で、局在した電子スピンがどのように振舞うかは、この研究で残された重要な問題である。
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Research Products
(6 results)