2003 Fiscal Year Annual Research Report
分子の内殻光電離しきい値近傍における多電子効果の研究
Project/Area Number |
15340135
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
繁政 英治 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助教授 (90226118)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
初井 宇記 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助手 (40332176)
小杉 信博 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 教授 (20153546)
下條 竜夫 姫路工業大学, 理学部, 助教授 (20290900)
彦坂 泰正 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助手
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Keywords | 内殻電子 / シンクロトロン放射光 / 偏光依存性 / 分子解離 / non-dipolar効果 / 電子相関 / PCl効果 / 多電子効果 |
Research Abstract |
本研究では、現在分子研で開発中の高効率ダブルトロイダル電子エネルギー分析器(DTA)の優れた性能(エネルギー分布と角度分布を一時に計測可能)を最大限活かした新しい実験手法を開発し、分子の内殻電離しきい値近傍で観測される新奇な諸現象に関して、その原因究明に通ずる新たな情報を得ることを目的とする。これらの現象は、分子の内殻電離しきい値近傍で特にその効果が大きいことから、放出電子間の相互作用に起因すると考えられるが、本研究では、これらがどのような形で角度相関やエネルギー相関に現れてくるのか、内殻光電離後に放出される光電子、蛍光、オージェ電子、及び解離イオンなど各種粒子間の相関測定を広い光エネルギー範囲に渡り多角的に行う事により、メカニズムの本質に迫ろうとするものである。 今年度は、DTAの動作・性能の確認を行うと共に、真空紫外発光及び運動エネルギーが殆どゼロのしきい電子を検出するための実験装置の立ち上げと二原子分子を試料ガスとした簡単な性能評価実験を行った。DTAについては、その正常な動作を確認したので、来年度には同時計測実験に向けた準備を開始する。これ以外の実験装置のテスト実験において、真空紫外発光強度をモニター出来るような実験条件で、その強度を光のエネルギーの関数として計測したところ、丁度イオン化しきい値のエネルギー位置にピークが観測された。これ以外の構造は光吸収スペクトルに酷似していることから、今回の観測では、発光や中性励起種などマイナーなチャンネルの検出効率がしきい値近傍で増大する現象を観測している可能性が高い。この現象を理解するために、真空紫外発光分光器の導入を検討し始めたところである。
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