2004 Fiscal Year Annual Research Report
無定位回転型振り子を使った広帯域・高感度サーボ型地震計の高性能化に関する研究
Project/Area Number |
15340144
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Research Institution | RIKEN |
Principal Investigator |
大竹 雄次 独立行政法人理化学研究所, 新竹電子ビーム光学研究室, 先任研究員 (60282729)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新谷 昌人 国立大学法人東京大学, 地震研究所, 助教授 (30272503)
今西 祐一 国立大学法人東京大学, 海洋研究所, 助手 (30260516)
渡辺 好徳 東光サービス株式会社, FAシステム製造部, 研究員
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Keywords | 地震計 / 磁気浮上 / 永久磁石 / 高感度 / 広帯域 / 垂直振り子 / ナノテクノロジー / 高感度変位検出 |
Research Abstract |
本研究は,次世代地震学やナノテクノロジーのために,気温や気圧変化に依存しにくいサブナノメータの位置検出技術を開発し,安定に10^<-9>g以下の加速度測定を100秒から数十Hzで実現するための地動計の開発である.本年度は,以下の成果を得た. 1.永久磁石による錘の磁気浮上を使用した無定位回転型振り子を使って,可搬型実機モデル地動計を3台製作して動作を確認した. 地動計は,(1)振り子の錘に働く気圧の影響の補正機能(補正用の浮き),(2)気圧影響除去用の隔絶容器,(3)隔絶容器を介して錘の重心位置を動作させる機構,(4)容器から振り子の変位信号を取り出す工夫,(5)振り子の位置制御を行うフィードバックコイルに電流を導入する機構を装備している. 2.気圧隔絶容器の無い回転型振り子サーボ型地動計とSTS-IIを使って,同時観測した.10秒から1秒位にある脈動の観測データを使い,両者の波形相関がほぼ1に近いことを解析から明らかにした. 3.2のデータ解析で本地動計が,1Hz以上の周波数ではSTS-IIと同等以下(10^<-10>(m/s)/Sqrt(Hz))のノイズレベルであることを確認した. 4.レーザースケール変位計の高度化として,地下トンネルでの観測を考慮して光ファイバー入出力のスケールを開発した.光ファイバーによるスケールへの半導体レーザー光の導入およびフォトダイオードへの光導出を採用した,レーザースケールの動作を確認した.このことで,センサー本体が設置してある湿気のあるトンネルやボアホールから半導体レーザーなどの回路を1km以上離して,環境の良い場所に置けるようになる.また,半導体デバイスなどの熱源をレーザースケールから離すことができ,温度変化によるスケールの伸び縮みを軽減でき,数秒以下の周波領域のノイズ低減に目処をつけた.
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