2005 Fiscal Year Annual Research Report
高温高圧下その場ラマン分光法による地球惑星内部物質の化学結合状態の研究
Project/Area Number |
15340146
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
船守 展正 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (70306851)
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Keywords | 超高圧高温実験 / ダイヤモンドアンビル装置 / レーザー加熱 / パルス光 / 地球惑星内部物質 |
Research Abstract |
4年計画の3年目にあたる本年度は、主に100GPaを超える超高圧領域における新しい高温発生技術の開発を行った。 100GPa超領域の実験には、レーザー加熱式ダイヤモンドアンビル装置が用いられるが、高温状態を発生させることは容易ではない。通常、100W級の連続発振レーザー光を集光して試料部に照射することで加熱を行うが、試料室の微小化に伴う断熱性低下に起因する不完全な加熱、さらには装置全体の温度上昇に伴うダイヤモンドアンビルの破壊などの深刻な問題が頻繁に発生する。これらを克服するため、パルス発振レーザー光を利用した新しい加熱方法を考案し試験を行った。試験には、連続光による加熱に広く用いられるNd:YAGレーザーを使用した。A/O型QスイッチへのRF出力を制御することで、連続光と同程度から数十倍程度までの範囲の任意のピーク出力を持つパルス光を発振させることに成功した。この方法で発振させたパルス光のピーク幅は1〜3マイクロ秒程度であった。通常のパルス光に比べ、低いピーク出力と長いピーク幅を持つため、連続光に近い比較的安定した加熱が可能であると期待される。実際、連続光による加熱に失敗した試料に対して、連続光の10倍程度のピーク出力を持つパルス光を照射したところ比較的安定した加熱を行うことに成功した。今後、地球惑星内部物質の化学結合状態の圧力変化を解明するため、高温高圧下その場ラマン分光実験にこの新技術を利用する計画である。
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Research Products
(1 results)