2006 Fiscal Year Annual Research Report
高温高圧下その場ラマン分光法による地球惑星内部物質の化学結合状態の研究
Project/Area Number |
15340146
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
船守 展正 東京大学, 大学院理学系研究科, 助教授 (70306851)
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Keywords | 超高圧高温実験 / ダイヤモンドアンビル装置 / 緩和発振パルス光加熱 / 立法晶窒化ホウ素ガスケット / 地球惑星内部物質 |
Research Abstract |
本研究の最終年度にあたる本年度は、これまでに開発した技術要素を組み合わせて高温高圧下その場ラマン分光法による地球惑星深部物質研究をまとめあげることを目標とした。しかし、残念ながら幾つかの問題が残り目標の達成には至らなかった。 前年度までに一定の成果は挙がっていたものの、それらは十分に満足のいくものではなかった。打開の鍵は、(1)より安定な高温高圧発生と(2)ゲート機能を利用した測定にあると考えた。(1)については、緩和発振パルス光を利用した新しいレーザー加熱方式の開発、および粉末c-BNを材料とした新しいガスケットの開発を行った。新加熱方式では、従来方式よりも低い投入エネルギーで試料の加熱を行うことが可能になり、装置にダメージを与える危険性を減少させ、よりコントロールされた加熱を行うことに成功した。また、新ガスケットでは、広く使用されているReに比べ、約2倍の試料容積を確保することに成功した。試料体積を従来通りとすれば、従来よりも安定した圧力発生が可能であり、2倍とすれば、信号強度の面などで有利となる。(2)については、イメージインテンシファイア付きCCDカメラなどを利用した測定を行うことができれば、目的の実現に向け大きく前進できたと思われるが、残念ながら予算的な制約から断念せざるを得なかった。 本研究では、超高圧高温実験のための幾つかの重要な技術開発に成功した。今後、予算を獲得して、ゲート機能付き検出器を導入することで、地球惑星深部物質に対する高温高圧下その場ラマン分光測定を実現させたい。
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Research Products
(1 results)