2003 Fiscal Year Annual Research Report
海底電位差磁力計による沈み込み・前弧・島弧・背弧系(中部マリアナ海域)の横断探査
Project/Area Number |
15340149
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
島 伸和 神戸大学, 内海域環境教育研究センター, 助教授 (30270862)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
馬場 聖至 海洋科学技術センター, 固体地球統合フロンティア研究システム, 技術研究員
後藤 忠徳 海洋科学技術センター, 深海研究部, 研究員 (90303685)
歌田 久司 東京大学, 地震研究所, 教授 (70134632)
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Keywords | 沈み込み帯 / 背弧海盆 / マリアナ海域 / 電気伝導度構造 / 海底電位差磁力計 / マグネトテルリック法 |
Research Abstract |
1.本研究と同じ海域で、平成13〜14年度に海底電位差磁力計をもちいて観測したデータとそれ以前に観測したデータを解析することで、この系全体の大まかな上部マントル電気伝導度構造を推定した.その結果、マリアナトラフ、パレスベラ海盆下では、より成層構造にちかく、深さ約70kmで電気伝導度が増加する(比抵抗にすると、数100Ωmから数10〜数Ωmに下がる).しかも深さ約70kmより深いところでは、TMモードモデルの電気伝導度は、TEモードのモデルのそれよりも高く、異方性の存在を示唆し、東太平洋中央海膨の拡大軸下と類似した特徴があることがわかった. 2.モデル計算により、海底下のどのような構造が、海底での観測点で、どの程度シグナルとして観測されるかのシミュレーションを行なった.その結果から、次の2点を明らかにした.(1)背弧海盆拡大軸下や島弧下のメルトの存在により予想される浅部の構造変化に対しては、大きなシグナルとしてあらわれる.(2)スラブでの脱水により予想される深部の構造変化に対しては、シグナルがあまり大きくなく、背景となる電気伝導度構造によりその大きさが変化する. 3.地形効果の補正は、海底MT観測データ解析における1つの大きな問題であり、本研究では、剥ぎ取り法(Nolasco et al.,1998)に、FS3Dフォワードモデリング(Baba and Seama,2002)を使用した方法をすでに導入している.この地形効果補正法の精度の検証を行ない、この手法の有効性と示すとともに、地形補正の結果が悪くなる場合についても調べた. 4.参加を表明している各国のグループを含めて、予定している観測航海の事前打ち合わせを神戸大学にて行なった.打ち合わせでは、すでに得られている結果を検討するとともに、計画の優先順位や、観測後のデータの取り扱い等について話し合った.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Utada, Hisashi: "A semi-global reference model for electrical conductivity in the mid-mantle beneath the north Pacific region"Geophys.Res.Lett.. 30・4. 16092-16095 (2003)
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[Publications] Fukao, Yoshio: "Trans-pacific temperature field in the mantle transition region derived from seismic and electromagnetic tomography"Earth and Planetary Science Letters. 217. 425-534 (2003)