2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15340180
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
香内 晃 北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (60161866)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒川 政彦 北海道大学, 低温科学研究所, 助手 (10222738)
渡部 直樹 北海道大学, 低温科学研究所, 助手 (50271531)
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Keywords | ダイヤモンド / 炭素質隕石 / 星間雲 / アモルファス氷 / 光化学反応 |
Research Abstract |
隕石中のプレソーラーダイヤモンドおよび星間雲で観測されているダイヤモンドの起源を解明するために,星間雲で氷に紫外線が照射されて有機物ができる過程,およびその有機物がさらに低密度雲で紫外線を照射される過程を再現する実験をおこなった.超高真空容器中の金属板をヘリウム冷凍機で12Kに冷却する.H2O:CO:NH3:CH4=4:2:2:1に混合したガスを真空容器中に導入し,アモルファス氷の薄膜を作った.氷薄膜に紫外線を10Kで照射し,照射終了後,金属板の温度を室温まで上昇させた.アモルファス氷は200Kまでに蒸発し,室温でも蒸発しない有機物が残った.その有機物が低密度雲でさらに紫外線照射を受ける過程を再現する実験も行った. 生成された有機物の高分解能透過型電子顕微鏡観察の結果,分子雲で生成された有機物中に1nm程度のダイヤモンド微結晶(ダイヤモンド前駆体)が生成されたことが明らかになった.これはまったく新しいダイヤモンドの生成法であり,これまでの常識を覆す発見である.さらに,低密度雲でのさらなる紫外線照射によりダイヤモンドが5nm程度まで成長することがわかった. 以上の結果から,隕石中のいわゆるプレソーラーダイヤモンドは,炭素星や超新星起源ではなく,星間雲起源だと考えるとこれまで問題になっている事を無理なく説明できることが明らかになった.
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Research Products
(6 results)