2004 Fiscal Year Annual Research Report
ポストガーネット分解相転移カイネティクスと沈み込む海洋プレートのダイナミクス
Project/Area Number |
15340181
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
久保 友明 九州大学, 大学院・理学研究院, 助教授 (40312540)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 工 九州大学, 理学研究院, 教授 (90214379)
上原 誠一郎 九州大学, 理学研究院, 助手 (70158773)
近藤 忠 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20252223)
大谷 栄治 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60136306)
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Keywords | 高温高圧実験 / 放射光X線その場観察実験 / 焼結ダイアモンドアンビル / 電子顕微鏡観察 / マントル鉱物の高圧相転移 / 相転移カイネティクス / 沈み込む海洋プレート / スタグナントスラブ |
Research Abstract |
放射光施設KEK-PFにおいて,一辺14mmの大型焼結ダイアモンドを用いた高温高圧X線回折時分割測定に関する開発を行った。オーストラリアのRingwood Superabrasives社が提供しているSiCをバインダー材に用いた焼結ダイアモンドアンビルを国内では初めて試用し、超硬アンビルと組み合わせた2段加圧方式により20GPa,2000Kまでの高温高圧発生に成功した。X線透過能に優れており、高圧下でのX線回折およびX線ラジオグラフィー用のアンビル材として有用である。それらの技術を用いてX線その場観察によるマントル高圧鉱物の拡散律速反応のカイネティクスを明らかにする実験を行った。 これまでに放射光X線を用いて行われたポストガーネット分解相転移カイネティクス実験、輝石(エンスタタイトおよびダイオプサイド)の相転移カイネティクス実験、含水条件下でのオリピン-スピネル相転移カイネティクス実験に関するデータの解析を行った。またそれらのカイネティクス実験の回収試料について、透過型電子顕微鏡を用いた相転移微細組織観察および顕微FTIRを用いた含水量の測定を九州大学において行った。それらの解析や分析をもとに、沈み込む海洋プレートのmetastable mineralogyを構築し、上下マントル境界付近においてプレートに働く浮力を議論した。これらの結果を国際学会にて発表し、現在3本の論文を国際誌に投稿準備中である。 前年度までに行われたウオズレアイトの原子拡散実験をまとめマントル遷移層や沈み込む海洋プレートのレオロジーや輸送物性に関する議論を行い、国際誌に2本の論文を公表した。また、沈み込むプレートにおける準安定な立方晶ペロフスカイト相の出現に関する研究、沈み込んだ海洋地殻に存在するとされる高圧含水珪酸塩鉱物の脱水分解反応に関する研究、衝撃を受けた隕石中に存在する相転移微細組織とカイネティクスに関する研究を、国際誌に共著論文として発表した。
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