2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15340184
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山岸 晧彦 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (70001865)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅村 泰史 防衛大学校, 応用科学群, 助教授
小暮 敏博 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (50282728)
村上 隆 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (00253295)
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Keywords | 生体鉱物 / LB膜 / 原子間力顕微鏡 / ブルーサイト層 / 理論シミュレーション |
Research Abstract |
本研究では、生体鉱物合成の機構を解明するために人工膜を鋳型にした鉱物生成反応の機構をあきらかにすることを目指した。擬似生体膜として両親媒性アンモニウムの単分子膜を用い、ラングミュアー・ブロジェット法によって分子膜下での鉱物(単層剥離した粘土鉱物粒子)の集積過程を追跡した。擬似生体膜の上でどのような経路で鉱物が成長するかを原子間力顕微鏡を用いた膜観察によって明らかすることができた。その結果、粘土粒子の集積は両親媒性分子の気液界面への展開直後から起こり、粘土粒子の濃度と分子膜の形成速度との競争に支配されることが明らかにされた。購入した赤外分光器は、生成した粘土有機物複合膜の構造解析に用いた。 またこれと並行して、カルボキシル基が界面に並んだときに、それを鋳型としてブルーサイト層が成長する過程を理論的に明らかにすることを試みた。そのために、量子力学的計算によってマグネシウムイオンの加水分解の結果重合する過程をシミュレーションした。その結果、重合の結果層状のブルーサイト層が自発的に生成することが導かれた。またそのような重合反応がカルボキシル基の存在下で加速されることも導かれた。これらの理論的結果は、次年度において実験的に検証する予定である。 また年度末(2月27日、28日)には、この研究に関連した研究を行っている海外の研究者を10名、さらに国内の研究者を10名招いて成果報告と討論会(層状無機化合物をもとにしたナノ構造材料に関する東京会議:東京大学本郷にて開催)を行い、100名あまりの参加者を得て活発な討論を行った。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] K.Naka, H.Sato, T.Fujita, N.Iyi, A.Yamagishi: "Induction of Circular Dichrosim by Coadsorption of Chiral and Achiral Metal Complexes on a Colloidal Clay"J.Phys.Chem.B. 107. 8469-8473 (2003)
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[Publications] H.Sato, A.Morita, K.Ono, H.Nakano, N.Wakabayashi, A.Yamagishi: "Templating Effects on the Mineralization of Layered Inorganic Compounds : (1) Density Functional Calucautions of the Formation of Single-layered Magnesium Hydroixide as a Brucite Model"Langmuir. 19. 7120-7126 (2003)
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[Publications] 佐藤久子, 梅村泰史, 山岸晧彦: "粘土有機物ハイブリッド薄膜の製造とその応用"日本イオン交換学会誌. 14. 96-102 (2003)
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[Publications] K.Yao, S.Nishimura, Y.Imai, H.Tateyama, A.Yamagishi: "Spectroscopic and Photoelectricchemical Study of Sensitized Layered Niobate K_4Nb_6O_<17>"Langmiur. 19. 321-325 (2003)
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[Publications] A.Matsuda, T.Matoda, T.Kogure: "Formation of anatase nanocrystals-precipitated silica caoatings on plastic substrate by the sol-gel process with bot water treatment"J.of Sol-Gel Science and Technology. 27. 61-69 (2003)
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[Publications] 北村雅夫, 阿部利弥, 小暮敏博: "鉱物の成長・溶解"岩石鉱物科学. 32. 157-160 (2003)
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[Publications] A.Yamagishi (Co-ed.): "Journal of Molecular Catalysis A : Chemical : Special Issue dedicated to Professor Juro Horiuti"Elasevier. 242 (2003)