2004 Fiscal Year Annual Research Report
結像型X線マイクロトモグラフィーによる惑星間塵の超高分解能3次元構造の研究
Project/Area Number |
15340186
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
土山 明 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90180017)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 晃久 高輝度光科学研究センター/Spring-8, 利用研究促進部門II, 研究員
上杉 健太朗 高輝度光科学研究センター/Spring-8, 利用研究促進部門II, 研究員 (80344399)
野口 高明 茨城大学, 理学部, 助教授 (40222195)
中村 智樹 九州大学, 大学院・理学研究院, 助教授 (20260721)
中野 司 産業技術総合研究所, 地球科学情報研究部門, 主任研究員 (90212092)
|
Keywords | 宇宙塵 / 惑星間塵 / 微隕石 / スフェリュール / マイクロトモグラフィー / スプリング8 / 差分法 / フラクタル |
Research Abstract |
SPring-8の投影型X線マイクロトモグラフィー装置のさらなる改良をおこない、従来よりも高空間分解能(画素サイズ:0.20μm)広領域(2000x2000画素)での高速CT撮影が可能となった。標準サンプルを撮影することにより、CT再構成によって求められる物質の線吸収係数(CT値)の較正をおこない、CT像コントラストの定量的な議論を可能とした。また、FeのK吸収端(約7.1keV)付近のエネルギーでのX線高次光を除去するdetune法を確立した。 これらを用いて、宇宙塵(惑星間塵、非溶融微隕石、宇宙塵スフェリュール)の撮影をおこなった。惑星間塵3次元外形のフラクタル次元は2.92-2.98となり、少なくとも一部はフラクラル的であることがわかった。惑星間塵と非溶融微隕石について、FeのK吸収端前後での撮影をおこない、差分法より定量的なFeの3次元分布を得ることに成功した。しかしながら、吸収端直上のエネルギーにおけるFeの濃集部からの蛍光X線に起因すると思われる像質の低下は、今後の課題である。また、宇宙塵スフェリュールの3次元外形がコンドリュールのものと定量的に類似しており、宇宙塵スフェリュールがコンドリュールと同様に高速回転していたことや、両者が同様のプロセス(おそらく衝撃波加熱)によって形成されたことが示唆された。 結像型X線マイクロトモグラフィー装置について、昨年度問題となっていたフレネルゾーンプレートの安定性を解決し、惑星間塵の撮影をおこなった。個々の透視画像は極めて高分解な画像を得ることができたが、サンプルステージの回転にともなうサンプルの微動が、今回の超高分解能撮影では致命的な影響を与えることが判明した。現在、サンプルの微動を補正したCT再構成法を開発中である。
|