2003 Fiscal Year Annual Research Report
マントル内部での親鉄・親銅元素の分布と挙同の総合的解明
Project/Area Number |
15340188
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
牧嶋 昭夫 岡山大学, 固体地球研究センター, 助教授 (70219301)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 桂 岡山大学, 固体地球研究センター, 助手 (20325129)
中村 栄三 岡山大学, 固体地球研究センター, 教授 (80201672)
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Keywords | 白金族元素 / Re-Os法 / 定量 / イオン交換 / 試料分解 |
Research Abstract |
本年度はマントル内部での親鉄・親銅元素の分布と挙動の総合的解明の第一年度として、白金族元素の定量法の開発をおこなった。これは、Meisel et al.(Chem.Geol.,201,161-179,2003)が発表した衝撃的な論文のためである。すなわち、これまで完全と思われていた、世界中のRe-Os法の研究者の9割以上が用いている、カリアスチューブによる試料分解法(ガラス管に試料と王水を封入し、それを230℃に加熱する試料分解法)では試料が完全に分解できないというのである。これは、これまでのRe-Os法の結果が不十分な試料分解に基づくものであることを意味し、この手法による研究結果の信頼性が著しく損なわれ、結果の大規模な見直しが必要なことを意味した。 そこで本年度は、正確さが高い分析から研究をスタートさせるという原点に戻り、試料分解法から検討した。そのために、約300℃で試料分解が可能な安価な密閉分解容器をあらたに設計・試作した。これは、完成すれば、世界中で使われるようになると確信する、画期的なものとなるはずである。これのデザインを煮詰め、国有特許として特許申請を行った、正確な分析値を得るための分析条件の検討もおこなった。 また、イオン交換樹脂を用いる白金族元素の抽出に関しても新しい方法をデザインし、岡山大学に発明届を提出した。
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[Publications] Tanaka, R., Makishima, A., Kitagawa, H., Nakamura E.: "Tanaka, R., Makishima, A., Kitagawa, H.and Nakamura E.(2003) Suppression of Zr, Nb, Hf, and Ta coprecipitaton in fluoride compounds for determination in Ca-rich materials."Journal of Analytical Atomic Spectrometry. 18. 1458-1463 (2003)
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[Publications] Chang, V.T.-C., Makishima, A., Belshaw, N.S., O'Nions, R.K.: "Purification of Mg from low-Mg biogenic carbonates for isotope ratio determination using multiple collector ICP-MS"Journal of Analytical Atomic Spectrometry. 18. 296-301 (2003)
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[Publications] Nakamura, E., Makishima, A., Moriguti, T., Kobayashi, K., Sakaguchi, C., Yokoyama, T., Tanaka, R., Kuritani, T., Takei, H.: "Comprehensive geochemical analyses of small amounts(100mg) of extraterrestrial samples for the analytical competition related to the sample-return mission, MUSES-C."The Institute of Space and Astronautical Science Report, SP. 16. 49-101 (2003)