2004 Fiscal Year Annual Research Report
ラジカル低温プラズマ照射法によるナノ結晶ダイヤモンド核成長制御
Project/Area Number |
15340195
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
飯塚 哲 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (20151227)
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Keywords | ナノ結晶ダイヤモンド / ダイヤモンド結晶核 / ダイヤモンドライクカーボン / 電子温度制御 / 低電子温度プラズマ / ナノウオール / ラジカル制御 / 水素メタンプラズマ |
Research Abstract |
本年度は低温プラズマ照射法による成膜実験を中心に行った。基板の材質はニッケルを基本とし、基板等の上にどのようにダイヤモンド結晶が核形成していくかを調べた。プラズマ及び成膜パラメータとしては、基板温度、電子温度、ガスの混合比を変化させ以下の結果を得た。 1、電子温度が3-5eVと高いときにはプラズマ生成室とプロセス室の間に設置したオリフィスの口径に関係無くグラファイト状の薄膜が堆積した。SEMによる観測の結果、これらの薄膜はシート状の薄膜であり、いわゆるナノウオール構造を形成していることが分かった。ナノウオールはシート状の端部からの電子放出が期待され、ナノスケールの電子放出体として応用できる。 2、電子温度が0.3-0.5eVと低いときにはオリフィスの口径によって膜質が変化した。口径が20mmのとき、ラマンスペクトルにGバンドとDバンドを持つダイヤモンドライクカーボンが堆積した。一方、口径が6mmのときには1150cm-1にピークをもつナノ結晶ダイヤモンドが生成されることが分かった。ナノ結晶ダイヤモンドは表面が固く緻密であるため、ナノスケールで極めて平坦な表面の形成に重要である。ナノ結晶ダイヤモンドの形成メカニズムとしてはプラズマ生成部におけるラジカル形成が重要と考えられる。本研究で用いた誘導結合型の高周波プラズマ中ではCHやCH2ラジカル成分が多く、CH3を主体とするダイヤモンドの核形成に作用し、ナノスケールの結晶構造に不可欠と考えられる。
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Research Products
(6 results)