2003 Fiscal Year Annual Research Report
高エネルギー電子の軌道損失を利用した径電場生成による輸送障壁・二流体緩和研究
Project/Area Number |
15340197
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小川 雄一 東京大学, 高温プラズマ研究センター, 教授 (90144170)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三戸 利行 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 教授 (10166069)
森川 惇二 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (70192375)
吉田 善章 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (80182765)
岩熊 成卓 九州大学, 超伝導システム科学研究センター, 助教授 (30176531)
柳 長門 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助教授 (70230258)
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Keywords | 高エネルギー電子 / 径電場 / 二流体緩和 / 内部導体装置 / 高ベータプラズマ / 磁気浮上 |
Research Abstract |
磁場閉じ込めプラズマ研究において、径電場およびそれに起因したプラズマ流れに関連した物理は、プラズマ閉じ込め特性の改善、プラズマの新たなる緩和配位の形成、などにおいて大変重要な役割を果たしている。一方、プラズマ流れをアルフヴェン速度近傍まで高速化する事により、新たなるプラズマ緩和配位が形成される二流体緩和理論がある。これはTaylorの緩和状態が、電流(電子流れ)のみを取り扱ったのに対して、イオン流れまでも含めて緩和理論を発展させたものであり、超高ベータプラズマ閉じ込めの可能性を示唆している。本研究では、磁気浮上内部導体装置Mini-RTを用いて、高エネルギー電子の軌道損失による径電場発生というユニークな手法を用いて、トロイダル方向の高速プラズマ流を誘起し、トーラスプラズマの輸送障壁や二流体緩和に関する物理探究を目指すものである。 Mini-RT装置では磁気浮上コイルの作る磁場強度として0.1T程度であるため、2.45GHzの高周波を用いて電子サイクロトロン共鳴によるプラズマの生成・加熱実験を行っている。高周波の加熱パワー2.7kWまでの実験で、現在までに達成されているプラズマ密度は(5-7)x10^<16>m^<-3>であり、これは2.45GHz高周波のカットオフ密度近くの値である。プラズマ密度分布としては、内部導体コイル近傍(約2-5cm)のところでピークを持ち、トーラス外側にゆくに従って緩やかに減少している。プラズマ生成のためのガス圧は0.01-0.03Pa領域であり、低ガス圧領域では着火しない。電子温度は10-20eV、イオン温度は1eV程度である。ECHによる高エネルギー電子生成のためには、さらに2桁程度低いガス圧でのプラズマ生成が求められる。現在の実験では、内部導体コイルを支持脚でサポートした状態であるので、トロイダルドリフトによる支持脚へのプラズマ損失や、高いガス圧での中性ガスとの衝突などにより、プラズマの高温化が図れていないと思われる。今後は、磁気浮上状態でのプラズマ生成実験を進めることにより、プラズマ特性の改善を図って行く。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Y.Ogawa, et al.: "Construction and operation of an internal coil device with a high temperature superconductor"Journal of Plasma and Fusion Research. 79. 643-644 (2003)
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[Publications] 大國浩太郎, その他: "高温超伝導磁気浮上コイル直接励磁のための着脱可能電流導入端子の開発"低温工学. 39. 560-564 (2003)