2005 Fiscal Year Annual Research Report
実解析的方法による非線形発展方程式の解の安定性の研究
Project/Area Number |
15340204
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
柴田 良弘 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (50114088)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 和永 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (20188288)
山崎 昌男 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (20174659)
小林 孝行 佐賀大学, 理学部, 教授 (50272133)
清水 扇丈 静岡大学, 工学部, 助教授 (50273165)
菱田 俊明 新潟大学, 工学部, 助教授 (60257243)
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Keywords | 数学 / 基礎解析学 |
Research Abstract |
1.有界領域におけるStokes方程式のNeumann問題に対する解の最大正則性原理の証明に成功した.先行研究としてはロシア科学アカデミー教授V.Solonnikov氏のものがあるが,それは時間局所的でありさらに指数に制限がついていたが,今年度の研究により時間大域的な性質と指数に関する制限なしの結果を得た.我々の証明方法はWeisのFourier multiplierに関する最新の結果を用いるところが他の研究グループとの違いであり,これにより世界に先駆けて上記の結果をえることが出来,この方面での研究を完成させたといってよい.さらにこの原理を応用して表面張力を考えなくて良い場合の自由境界をもつNavier-Stokes流の時間大域的一意存在定理を初期値が小さい場合に示した. 2.無限遠方での流速が零の場合の回転する物体の外側を流れるNavier-Stokes流の数学的解析において,その線形化問題の解の時間大域的なLp-Lq評価を示した.先行研究としては解の存在とその時間局所的な評価は得られていた.しかしこれではもとの非線形問題の安定性を調べるには不十分である.我々の結果は非常に画期的で有り,この方面の研究を格段に進歩させた.研究方法の特徴的なところは,局所減衰定理を示したところにある.この定理の証明の一つのポイントは,対応するレゾルベント問題の高周波の部分の解析において,作用素を周波数に関して展開し主要部分はセクトリアル作用素になっているということを示したことにある.この解析は従来の研究にはまったく見られない斬新なアイデアであり,7年以上にわたる研究の成果といえる.さらに今回の成果を応用し,Farwig-菱田-Muller(菱田は研究分担者)により昨年度得られていた定常流の初期摂動が小さい場合における時間大域的な安定性を証明した.
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Research Products
(8 results)