2006 Fiscal Year Annual Research Report
実解析的方法による非線形発展方程式の解の安定性の研究
Project/Area Number |
15340204
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
柴田 良弘 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (50114088)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 和永 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (20188288)
山崎 昌男 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (20174659)
小林 孝行 佐賀大学, 理学部, 教授 (50272133)
清水 扇丈 静岡大学, 工学部, 助教授 (50273165)
菱田 俊明 新潟大学, 工学部, 助教授 (60257243)
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Keywords | 数学 / 基礎解析学 |
Research Abstract |
1.非圧縮性粘性流体中に回転しながら動いていく物体があるときの,流体の運動に関する数学的研究を行った.考える領域は外部領域で時間とともに一定の角測度でもって回転しているものとし,回転軸と動いていく方向は同じものと仮定する.さらに運動の速度も一定であると仮定した.無限遠方の流速が零になるようにガリレイ変換し,さらに領域がとまるような変換をした後,方程式を線形化すると,低階項に一次の多項式オーダの増大係数をもつ項が表れる一般的なStokes-Oseen系となる.この方程式が連続半群を生成し,さらに減衰評価をもつことを示した.この減衰評価は熱方程式の場合と同じである. 本年度の研究はここまでに終わった.続く研究としてはもとの非線形問題に定常解が存在することをしめすことと,この定常解の安定性である.これらは広く工学に応用される数学的に重要な基礎を与える. 2.非圧縮性粘性流体の自由境界問題において表面張力を考慮に入れた場合を考えた.その線形化問題として現れる,Stokes方程式のNeumann問題に表面張力の項を表すラプラス-ベルトラミ作用素つきの境界条件の下でのレゾルベント評価を示した.さらに,ゼロがレゾルベントになるための解のクラスを発見した.これらはもとの非線形問題の解の安定性を示すのに重要である.来年度は対応する非線形問題の考察に移る. 3.非圧縮性粘性流体の運動をslip境界条件の下で考えた.これは近年より滑らかな材質の出現などにより,数学的解析の重要性が増した問題である.対応するStokes方程式の線形化問題についてレゾルベント評価を示した.またゼロがレゾルベントとなるための解のクラスを発見した.さらに解の最大正則性原理を示した.
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Research Products
(6 results)