2004 Fiscal Year Annual Research Report
集積型酸化還元系が発現する複合機能の探究とその単一分子メモリへの展開
Project/Area Number |
15350019
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
鈴木 孝紀 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70202132)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 憲秀 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20222268)
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Keywords | 酸化還元系 / 応答性分子 / 分子素子 / 記録材料 / 分子エレクトロニクス / 色素 / C-H--O水素結合 / 単一分子メモリ |
Research Abstract |
本研究課題の目的は1)複合機能へと発展可能な酸化還元型分子応答系を構築すること、2)表面修飾のための方法論としてポリエーテル骨格のC-H--O水素結合の有効性を実証すること、3)最終的に一分子が1bitを担う分子メモリのプロトタイプを構築することである。 a)テトラヒドロフェナントラアゼピン骨格を有する酸化還元系:不斉要素を有する有機酸化還元系は、電気化学的入力に対して電子スペクトル及び円二色性(CD)スペクトルの双方の出力を与える多重出力型分子応答系となる。表題骨格のヘリシティは容易に反転するが、N上にキラルなベンジルアミノ基を導入することで一方のジアステレオマーを優先させることに成功した。これにより、煩雑な光学分割を行わずに感度良くエレクトロキロオプティカル出力が得られる系の構築が可能となった。b)海産天然物ヘミブレベトキシンの形式全合成:糖を出発物とし、4つの連続した縮合ポリエーテル骨格を持つヘミブレベトキシンの収束的骨格構築に成功し、形式全合成を達成した。今後結晶性誘導体について単結晶構造解析を行い、天然産の骨格においてもC-H--O水素結合存在することが確認する予定である。c)末端アセチレンおよびジスルフィド官能基を有する酸化還元系:分子メモリの実現には、酸化還元対に自己組織化膜を形成させる必要がある。そこで表面修飾に利用できるアンカー置換基が導入された機能性酸化還元系を合成することを目指し、これまで動的酸化還元活性が確認されたジスピロジヒドロフェナントレン骨格を有する3種の酸化還元対の、i)ベイ領域へのエチニル基に導入、ii)スピロ環上へのプロパルギル基の導入、iii)ベイ領域へのジスルフィド官能基の導入された化合物の合成に成功した。前2者は水素終端シリコン表面への固定に、後者は金表面への固定に利用できる官能基を有するものであり、現在膜の調製の検討を行っている。
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Research Products
(6 results)