2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15350020
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
海野 雅史 群馬大学, 工学部, 助教授 (25201126)
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Keywords | シロキサン / 無溶媒反応 / グリーンケミストリー / 高効率反応 / シラノール / 超分子 / シルセスキオキサン / 脱水縮合 |
Research Abstract |
本年度は、シラノールからの脱水縮合反応の条件検討および最適を行った。既にフェニル基を含むシラノールはp-トルエンスルホン酸と混合、すりつぶすことによりシロキサンを与えることがわかっているが、まずこの反応について検討した。購入したフリッチェ社製、遊星型微粉砕器を用いることで、これまで人手ですりつぶしていたものを自動化でき、再現性、および長時間反応が可能になった。モデル化合物として、反応中間体、生成物の追跡をリサイクル型HPLCで行うことができるイソプロピルフェニルシランジオールを用い、脱水縮合反応を行った。その結果、室温での固体反応では、cis,cisおよびcis,transのトリイソプロピルとりフェニルシクロトリシロキサンが得られた。同様の反応をベンゼン中で行ったところ、生成物は前駆体であるジイソプロピルジフェニルジシロキサンジオールであることから、固体状態の方がより効率よく反応が進行することが明らかになった。次に、p-トルエンスルホン酸以外の触媒について検討を行った。その結果、溶液反応では反応を進行させると考えられる、DCC(ジシクロヘキシルカルボジイミド)での反応では原料回収にとどまり、また脱水剤として、Drierite、モレキュラーシーブ、硫酸マグネシウムを用いたが、いずれも未反応であった。一方、ジフェニルシランジオールの脱水縮合反応は、水と粉砕混合するだけで反応が進行し、シクロトリシロキサンとシクロテトラシロキサンを高収率で得ることができた。今後は、HClガスなども用いて、より効率の良い固体状態反応を見いだす予定である。
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[Publications] M.Unno, T.Tanaka, H.Matsumoto: "Tip-substituted cage and cyclic silanols"J.Organometallic Chem.. 686. 175-182 (2003)
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[Publications] M.Unno, T.Matsumoto, K.Mochizuki, K.Higuchi, M.Goto, H.Matsumoto: "Structure and oxidation of octakis(tert-butyldimethylsilyl)octasilacubane"J.Orgaometallic Chem.. 685. 156-161 (2003)
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[Publications] M.Unno, Y.Imai, H.Matsumoto: "Hexakis(2,4,6-triisopropylphenylsilsesquioxane)"Silicon Chem.. (印刷中). (2004)
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[Publications] M.Unno, H.Masuda, H.Matsumoto: "Photo-initiated Bromination of octakis(1,1,2-trimethylpropyl)oct asila-cubane with Tetrabromomethane"Silicon Chem.. (印刷中). (2004)