2004 Fiscal Year Annual Research Report
抗腫瘍活性を有する新規天然物の独創的・実用的合成法の開発
Project/Area Number |
15350028
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
林 雄二郎 東京理科大学, 工学部, 助教授 (00198863)
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Keywords | 全合成 / 不斉触媒 / EI-1491 / アルドール |
Research Abstract |
新規天然物を合成する為には新しい反応が必要になる。特に光学活性体の合成を行うには良好な収率、不斉収率で進行する触媒的な不斉反応の開発が望まれている。本年度、我々は入手容易なプロリンを用いる不斉触媒アルドール反応を試みた。既にList等はプロリンを用いるアルデヒド、ケトン間のアルドール反応を報告しているが、不斉収率において改善の余地が残されていた。我々は氷化高圧法を不斉アルドール反応に適用することにより、常圧、室温よりも高い収率、不斉収率で生成物が得られることを見いだした。 また、プロリンから容易に合成することのできるジアミンが不斉Baylis-Hillman反応の良好な触媒になることを見いだした。Baylis-Hillmanはアミン触媒を用いるカルボニル化合物と電子不足オレフィンとの反応であり、多官能基化された化合物が得られ、合成的に重要な反応である。通常触媒としては塩基性部位と酸性部位を合わせ持つアミン化合物が用いられるが、我々は酸性成分を持たないジアミンが良好な触媒になることを明らかにした。 さらにEI-1491-2はinterleukin-1β converting enzyme (ICE)の阻害剤であり、抗炎症剤として期待されている。その全合成の報告はない。今回、すでに全合成が完了した血管新生阻害剤であるepoxyquinol A, Bの合成中間体を利用し、分子内carboxypalladationを鍵反応とすることにより、高立体選択的にその初の全合成に成功した。また、そのepimerも立体選択的に合成した。
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Research Products
(3 results)