2006 Fiscal Year Annual Research Report
抗腫瘍活性を有する新規天然物の独創的・実用的合成法の開発
Project/Area Number |
15350028
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
林 雄二郎 東京理科大学, 工学部, 教授 (00198863)
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Keywords | epoxyquinol / 4+4付加環化反応 / Diels-Alder反応 / 2量化反応 / 分枝プローブ |
Research Abstract |
我々は既に強い血管新生阻害活性を有するepoxyquinol A, Bの全合成を達成している。これらの化合物は2H-pyran誘導体の[4+2]型Diels-Alder反応によって生成すると考えられているが、合成の過程で、epoxyquinol A, Bの他にepoxyquinol Cおよびepoxytwinol Aという化合物が得られた。epoxyquinol CはDiels-Alder反応によって生成するが、epoxytwinol Aは形式的には[4+4]付加環化反応が進行して生成した化合物と考えられる。既に、この[4+4]付加環化反応がビラジカルを経由することを計算化学的に明らかにした。本年度は、ビラジカルを実験的に証明するためにESR等を利用して反応の追跡を行った。種々条件を変えて測定を行ったが、残念なことにビラジカルの生成を裏づける結果は得られなかった。しかし、2量化反応の検討中に、epoxyquinol A, Bの生成比が、反応条件によって異なり、天然から単離される場合の生成比と大きく異なる事を見出した。水中、緩衝溶液中、さらに、脂質2重膜存在下で2量化反応を試みたが、いずれにおいても、その生成比は天然とは異なることが明らかになった。この結果は、2量化反応に酵素が関与する可能性を示唆している。また、epoxyquinol A, Bの受容体蛋白質の単離、精製を行うために、epoxyquinol A, Bの分子プローブの作成を行った。すなわち、epoxyquinol Bのケトンを利用し、オキシムを介して、ビオチンと共有結合を形成させた。現在、epoxyquinol Bのビオチン誘導体を利用して、受容体蛋白質の単離を検討している。
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Research Products
(1 results)