2003 Fiscal Year Annual Research Report
新規レーザー加工キャピラリーを用いる高性能キャピラリー電気泳動の開発と応用
Project/Area Number |
15350045
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
金田 隆 九州大学, 工学研究院, 助教授 (20243909)
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Keywords | アダマール変換 / キャピラリー電気泳動 / レーザー加工キャピラリー / 電気泳動注入 / 微量分析 / レーザー励起蛍光検出 / 光学ゲート法 / 光学異性体 |
Research Abstract |
本研究ではレーザーで加工したキャピラリーを用いるキャピラリー電気泳動による高分解能分取法の開発,並びにこのキャピラリーによる電気泳動的多重注入に基づく超高感度分析法の開発を行なう。平成15年度はレーザーで加工したキャピラリーを用いる多重注入法を開発した。キャピラリーの小孔部分に試料用のリザーバーを作製し、末端から緩衝溶液を、穴の部分から試料溶液を導入するシステムを作製した。キャピラリーの両末端、及び小孔と検出器側末端に異なる電圧を印加し、両末端の電圧のみを切ることで試料を、両者を印加することで緩衝溶液を注入することに成功した。この装置と小型レーザー励起蛍光検出器及び吸光光度検出器を組み合わせ、多重注入による検出限界の向上を実現し、キャピラリー電気泳動の問題点である高い検出限界濃度を10倍以上改善することができた。この方法は、既存の分析用キャピラリー電気泳動装置をそのまま利用することができ、交換も簡単で操作性が良いという利点を有している。また、光ゲート注入法を用いるアダマール変換キャピラリー電気泳動法を、分離度の小さいアミノ酸光学異性体の分離に適用した。泳動溶液にシクロデキストリンを添加し、フルオレセインイソチオシアネートで標識したアミノ酸を光ゲート注入法により、キャピラリー内に導入し、分離を行った。その結果、分離度を損なうことなく検出限界を改善できることを明らかにした。さらに装置の改良によりフルオレセインイオンに対して10^<-15>Mの検出限界を得た。この場合、一回の注入体積当たりの分子数は27分子であり、顕著な検出限界の改善が達成できた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Kazuki Hata, Yasuhiko Kichise, Takashi Kaneta, Totaro Imasaka: "Hadamard Transform Microchip Electrophoresis Combined with Diode Laser Fluorometry"Analytical Chemistry. 75. 1765-1768 (2003)
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[Publications] Takashi Kaneta, Kazuki Kosai, Totaro Imasaka: "Detection of 27 Molecules in A Single Injection Volume by Hadamard Transform Capillary Electrophoresis"Analytical Sciences. 19. 1659-1661 (2003)
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[Publications] 金田隆, 西田未来, 今坂藤太郎: "キャピラリー電気泳動によるキラル分離へのアダマール変換法の応用"分析化学. 52. 1193-1197 (2003)