2005 Fiscal Year Annual Research Report
バイオ素子と脂質分子膜を用いる脳内物質のその場検出法の開発
Project/Area Number |
15350050
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
菅原 正雄 日本大学, 文理学部, 教授 (50002176)
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Keywords | バイオ素子 / グルタミン酸 / サブスタンスP / カルモジュリン / リポソームイムノアッセイ / キャピラリー酵素センサー / 生体膜センサー / 表面プラズモン共鳴法 |
Research Abstract |
本年度は以下の分子センシング法について検討した。 1.虚血下(低酸素状態)のマウス海馬断片の各神経領野から放出されるグルタミン酸を検出するために、微小ガラスキャピラリー酵素センサーの応答原理、その基礎挙動を検討した。その結果、低酸素状態においても、グルタミン酸濃度の増加、減少を連続測定できることが分った。実際に、マウス海馬スライスに適応することにより、各領野から放出されるグルタミン酸はCA1【approximately equal】CA3>DGの順に減少することを示した(公表済)。 2.マウス海馬スライスのCA3領域からパッチパッチクランプ法によりグルタミン酸レセプターイオンチャンネルを含む生体膜を切り取ることによって超微小グルタミン酸センサーを作成した。それを用いて、GABA刺激により放出されるグルタミン酸を検出した。その結果、グルタミン酸の放出量はCA1>>DG【approximately equal】CA3の序列に増加した。CA1領野からのグルタミン酸の放出はGABA_A受容体の関与する経路により放出が起こり、CA3ではGABA_B受容体の関与する経路により放出が抑制されることを明らかにした(投稿中)。 3.脳内の神経伝達ペプチドであるサブスタンスPを測定するための表面プラズモン共鳴(SPR)検出法を開発した。センサーチップ(CM5)に固定化した蜂毒ペプチドのメリチンとサブスタンスPが、金コロイドを化学修飾したカルモジュリンに対して競争反応する結果、サブスタンスPをSPR強度の変化が起こる。金コロイドを修飾することにより、修飾しない場合に比較して、約10倍検出下限が向上した(公表済)。 4.非ラベルイムノアッセイができる蛍光色素含有リボソームを固定化したリポソームアレイを開発した。膜界面でのイムノ反応により、グラミシジンチャンネルを透過しての水素イオン濃度の変化が起こり、内封蛍光色素の蛍光が増強される。(投稿準備中)。
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